USA ジェイムズ・ヤッフェ
(James Yaffe)

ママは何でも知っている
「ママは何でも知っている」
(1977年)
(早川書房)

 ジェームズ・ヤッフェとも表記。アメリカの本格推理小説家で、安楽椅子探偵ものの好シリーズとして名高い”ブロンクスのママ”の生みの親として知られています。

 ミステリ作家としてのデビューは非常に早く、1943年、弱冠15歳の時に短編「不可能犯罪課」を〈エラリー・クイーンズ・ミステリマガジン(EQMM)〉に初投稿して、その作品の出来映えの良さで編集部を驚かせたといいます。

 そしてその後1968年までに”不可能犯罪係シリーズ”の短編6作品と”ブロンクスのママシリーズ”の短編8作品を発表しました。

 その後は作品の発表はなく長い間作家活動は停止していましたが、1988年、61歳になったヤッフェは突如20年ぶりに再びママを主人公とする長編「ママ、手紙を書く」を発表して、ミステリの世界にカムバックを果たします。

 ヤッフェの作品は、上質のユーモアとツイストの利いたプロット、そして血なまぐさくないストーリーで、安心して読める本格ミステリといえるでしょう。


■作家ファイル■

出身地
アメリカ、シカゴ、のちニューヨークに移住
学歴
イェール大学文学部卒、のちパリに留学
生没
1927年~
作家としての経歴
1943
15歳のときに短編「不可能犯罪課」を〈エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン(EQMM)〉に投稿し、7月号に掲載される
その後、不可能犯罪課シリーズとして1943年2作、1945年2作、1946年1作の計6短編を発表
1952
ブロンクスのママの登場する短編「ママは何でも知っている」を発表
その後、〈ブロンクスのママ〉シリーズは1952年と1968年に全8短編が書かれている
1956
〈EQMM〉の短編コンテストでノン・シリーズ短編の「家族の一人」が2位に選出される
1988
長編「ママ、手紙を書く」でカムバックする。以後〈メサグランテのママ〉シリーズの4長編を発表
シリーズ探偵
ママ (Mom)
不可能犯罪課ポール・ドーン捜査主任 (Paul Dawn)
代表作
「ママは何でも知っている」(短編集)

■著作リスト■

1 ママ登場作品リスト

2 ポール・ドーン登場作品リスト(不可能犯罪課シリーズ)

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 不可能犯罪課の事件簿 2010 論創社 論創海外ミステリ92('10) 日本で独自に編纂
ポール・ドーンもの6編他全8編
1 不可能犯罪課 1943
2 キロシブ氏の遺骨
(キロシブ氏の骨)
HMM'80.11
3 七口目の水
(喉を潤すこと7度)
EQ'97.7(118)
4 袋小路 1945 HMM'78.10
5 皇帝のキノコの秘密 (皇帝の茸) 早川文庫80-9「密室大集合 アメリカ探偵作家クラブ傑作選7」('84)
HMM'82.7
宝石'58.3
6 喜歌劇殺人事件 1946 早川書房「復刻エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン No.1-3」('95)
EQMM'56.7
7 間一髪 1953 ノンシリーズ
8 家族の一人 1956 HMM'89.8
EQMM'57.10
EQMM短編コンテスト第2位('56)
ノンシリーズ

3 その他の作品

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Nothing But the Night 1957 -

【普通小説】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Poor Cousin Evelyn 1952 -
2 The Good-for-Nothing 1953 -
3 What's the Big Hurry? 1954 -
4 Angry Uncle Dan 1954 -
5 Mister Margolies 1962 -
6 Nobody Does You Any Favors 1966 -
7 The Voyage of the Franz Joseph 1970 -
8 So Sue Me!: The Story of a Community Court 1972 -
9 Saul and Morris: Worlds Apart 1982 -

【戯曲】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Cliffhanger 1985 -
2 Ivory Tower 1998 -
3 The Deadly Game -

【ノンフィクション】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 The American Jews 1968 -

【参考】「ママ、手紙を書く」(東京創元社 創元推理文庫)
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