”男たちの冒険”を描き続けた冒険小説の大家

UK アリステア・マクリーン
(Alistair Stuart MacLean)
〔別名 イアン・スチュアート (Ian Stuart)〕

女王陛下のユリシーズ号
「女王陛下のユリシーズ号」
(1955年)
(早川書房)

 デズモンド・バグリイやジャック・ヒギンズと並ぶイギリスの冒険小説家。スコットランドのグラスゴーで牧師の息子として生まれ、第二次世界大戦中は海軍に入隊し4年ほど従軍しました。

 戦後はグラスゴー大学で英語を学び、卒業後は中等学校で歴史教師として勤務。この時期に短編小説の懸賞で入選したのをきっかけにして、1955年に長編「女王陛下のユリシーズ号」で作家デビューを果たします。

 このデビュー長編は作者自身の海軍経験を活かし、第二次世界大戦下の大西洋でドイツ海軍を相手に必死の護送任務を続ける英国海軍の艦船ユリシーズ号とその乗組員たちの奮闘と苦悩を克明に描き上げたものですが、そのリアルな文体からたちまちベストセラーとなり、現在でも海洋冒険小説の古典的名作としてファンの間でも広く認知されています。

 1957年には第2長編の「ナヴァロンの要塞」を発表。第二次世界大戦下のトルコの小島ナヴァロンを舞台としたこの冒険小説も発表されるやいなやたちまち大人気を博し、映画化もなされ、マクリーンは冒険小説家としての地位を確固たるものとしたのでした。

 その後も冒険小説の大家としておよそ年1冊のペースで作品を発表し続け、1986年までの間に30冊近い作品を発表しています。

 その作風は”男の小説”と称されるように作中には女性はほとんど登場せず、困難な状況や立場に置かれた男たちが、あらゆる苦労に耐え、自らの努力と超人的な精神力で事態を打開していく姿が力強く描かれており、その過程におけるアクションやサスペンスと読み終わった後の爽快感と達成感が彼の作品の大きな特徴といわれています。

ナヴァロンの要塞
「ナヴァロンの要塞」
(1957年)
(早川書房)

■作家ファイル■

出身地
イギリス、スコットランドのデイヴィオット
学歴
グラスゴー大学卒
生没
1922年4月21日〜1987年2月2日
作家としての経歴
1955
教師時代に応募した短編小説の懸賞で入選したのをきっかけに海洋戦争ものの長編「女王陛下のユリシーズ号」で作家デビュー。同長編はいきなりベストセラーとなる
1957
第2作目の冒険小説の長編「ナヴァロンの要塞」を発表し大ヒットとなる。
1961
「ナヴァロンの要塞」が映画化
シリーズ探偵
キース・マロリー大尉 (Captain Keith Mallory)
代表作
「女王陛下のユリシーズ号」
「ナヴァロンの要塞」

■著作リスト■

1 キース・マロリー大尉登場作品リスト

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
ナヴァロンの要塞 1957 早川文庫 NV131
HPB958
早川書房 世界ミステリ全集13('72)
早川書房('71)
映画化('61)
ナヴァロンの嵐 1968 早川文庫 NV136
早川書房('70)
映画化('78)
サム・ルウェリンによる続編あり

2 その他の作品

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
女王陛下のユリシーズ号 1955 早川文庫 NV7
早川書房('67)
シンガポール脱出 1958 早川文庫 NV157
早川書房('71)
The Last Frontier
(米 The Secret Ways)
最後の国境線
1959 早川文庫 NV132
早川書房('68)
Night Without End
北極戦線
早川文庫 NV147
恐怖の関門 1961 早川文庫 NV135
早川書房('68)
黒い十字軍 早川文庫 NV474
早川書房('75)
イアン・スチュアート名義
後にアリステア・マクリーンで再版
黄金のランデヴー 1962 早川文庫 NV153
早川書房('69)
悪魔の兵器 早川文庫 NV550
早川書房('69)
イアン・スチュアート名義
後にアリステア・マクリーンで再版
北極基地/潜航作戦
(原子力潜水艦ドルフィン)
1963 早川文庫 NV327
早川書房('73)
講談社('66)
10 When Eight Bells Toll
八点鐘が鳴る時
1966 早川文庫 NV218
早川書房('68)
11 Where Eagles Dare
荒鷲の要塞
1968 早川文庫 NV162
早川書房('68)
12 麻薬運河 1969 早川文庫 NV139
早川書房('70)
HMM'70.1-4
13 Caravan to Vaccares
巡礼のキャラバン隊
1970 早川文庫 NV154
早川書房('71)
14 Bear Island
北海の墓場
1971 早川文庫 NV214
早川書房('71)
15 歪んだサーキット 1973 早川文庫 NV255
早川書房('77)
16 Breakheart Pass
軍用列車
1974 早川文庫 NV242
早川書房('75)
17 Circus
地獄の綱渡り
1975 早川文庫 NV246
早川書房('76)
18 金門橋 1976 早川文庫 NV497
早川書房('78)
19 魔女の海域 1977 早川文庫 NV597
早川書房('79)
20 さらばカリフォルニア 早川文庫 NV635
早川書房('80)
21 雪原の炎 1980 早川文庫 NV669
早川書房('83)
22 River of Death
死の激流
1981 早川書房('84)
23 Partisans
パルチザン
1982 早川書房('84)
24 Floodgate
防潮門
1983 早川書房('85)
25 San Andreas
サン・アンドレアス号の脱出
1984 早川書房('86)
26 Santorini
サントリーニの牙
1986 早川書房('88)

【短編集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
The Lonely Sea
孤独の海
1985 早川文庫 NV680
早川書房('87)
1 The Dileas
ディリーズ号
2 St George and the Dragon
聖ジョージと竜
3 The Arandora Star
悲劇の客船アランドラ・スター号
4 Rawalpindi
ラワルピンジ号の死闘
5 The Sinking of the Bismarck
戦艦ビスマルクの最期
6 The Meknes
メクネス号の沈没
7 MacHinery and the Cauliflowers
マキナリーとカリフラワー
8 Lancastria
引揚船ランカストリア号
9 McCrimmon and the Blue Moonstones
マクリモンと月長石
HMM'86.1
10 They Sweep the Seas
掃海艇の一日
11 City of Benares
シティ・オブ・ベナレス号の悲劇
12 The Gold Watch
金時計
13 Rendezvous
真夜中のランデヴー
HMM'86.9
14 The Jervis Bay
不屈のジャービス・ベイ号
15 Alistair MacClean on the 'Rewards and Responsibilities of Success
アリステア・マクリーン、成功の報酬と責任について語る

【オムニバス】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
The Guns of Navarone / Force 10 from Navarone 2000 -
Arctic Chillers 2007 -
Sea Thrillers -

【ノンフィクション】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
Lawrence of Arabia
(アラビアのローレンスのすべて)
1962 -
Alistair MacLean Introduces Scotland 1972 -
Captain Cook
キャプテン・クックの航海
早川書房('82)

UNACO (the United Nations Anti-Crime Organization) による長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
Hostage Tower
人質の塔
1980 早川書房('81) ジョン・デニス(John Denis)
Air Force 1 is Down 1981 -
Death Train 1989 - Alastair MacNeill
Night Watch -
Red Alert 1990 -
Time of the Assassins 1991 -
Dead Halt 1992 -
Golden Girl - Simon Gandolfi
Code Breaker 1993 - Alastair MacNeill
10 Golden Web - Simon Gandolfi
11 Golden Vengeance 1994 -
12 Rendezvous 1995 - Alastair MacNeill
13 Storm Force from Navarone 1996 - Sam Llewellyn
14 Prime Target 1997 - Hugh Miller
15 Borrowed Time 1998 -
16 Thunderbolt from Navarone 1998 - Sam Llewellyn