殺意のシステム タイトル

殺意のシステム

原題

A Shock to the System

発表年

1984

著者/訳者/解説

サイモン・ブレット/加地美知子/加地美知子

カバーデザイン

酒匂譲

ページ数

270(巻末にサイモン・ブレットの経歴紹介および著作リスト)

あらすじ(解説文)

出版

早川書房
ハヤカワポケットミステリ1479
「あなたは成功者なんだから」という浮浪者の言葉がグレイアムを殺人に駆り立てた。彼は金をせびりに寄ったその老人の頭に、傘を思い切り叩きつけた─何が成功者だ! 確かに、それまでの彼の人生はバラ色だった。両親の愛情を一身に受け、高校、大学と激烈な競争に勝ち抜き、超一流の石油会社に入社、人事部長候補の地位に駆け上がった。その間には美しい妻と豪邸を手に入れ、「成功者」であることは自他ともに認めていた。それだけに、途中入社でたいした学歴もないべナムが部長になった事は、この上ないショックだった。殺人を犯したのは、初めての挫折を噛みしめながらの帰り道だった。
だが、何日経っても警察は彼の前に現れない。事件は迷宮入りしたのか。そのうち、妙な優越感が、犯行発覚の不安に取って代った─自分は、他の人間にできない人殺しをやってのけたのだ! 彼は、かつて競争相手を何人も蹴落としたように、邪魔者を除こうと決意した。まず、昇進の妨げになるべナム、そして今や煩わしい枷となった妻。新たな力を得たかのように、彼は緻密な計画を実行に移して「成功者」への階梯を再び登り始めたが……
鮮やかなツイスト、ブラックユーモアのきらめき、鋭く抉り出される人間の醜い実像─俊英が新生面を開いた注目の犯罪心理サスペンス。MWA賞ノミネート作品。

初版

1986年(870円)

重版

入手

amazon

ISBN

4-15-001479-5

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