密室短編のエキスパート

USA ジョセフ・カミングズ
(Joseph Commings)

密室殺人傑作選
「密室殺人傑作選」
(1968年)
(早川書房)

 アメリカのミステリー作家で、主に不可能犯罪・密室殺人を題材とする短編ミステリを数多く発表しました。その大半がバナー上院議員を主人公とし、魅力的な舞台設定、謎の提出と巧みなプロット、独創的なトリックを扱っていて、本格ファンにはたまらない内容となっています。

 第二次世界大戦に従軍し、戦後1940年代後半からバナー上院議員ものの短編を発表しはじめ、やがてドナルド・E・ウェストレイクも編集者を務めたこともあるという〈ミステリー・ダイジェスト〉というミステリ専門誌の編集者を務めるかたわら、自らも数多くの傑作短編を発表しました。

 また同じ短編作家で不可能犯罪ものを扱っているエドワード・D・ホックと短編「行き止まりの階段」で合作したりしていて、不可能犯罪にこだわった作風で多くの読者を楽しませてくれます。


■作家ファイル■

出身地
アメリカ
生没
1914年~1993年
作家としての経歴
1947
第二次世界大戦終戦の後、1940年代の後半からバナー上院議員を主人公とする短編を30数編発表
2004
ロバート・エイディー編によりバナー上院議員ものの短編14編を集めた短編集「Banner Deadlines: The Impossible Files of Senator Brooks U. Banner」が刊行される
シリーズ探偵
ブルックス・アーバン・バナー上院議員 (Senator Brooks U. Banner)
ドック・ヴィンセント
代表作
「海児魂」(短編)
「悪魔のひじ」(短編)(バナー上院議員)

■著作リスト■

1 ブルックス・アーバン・バナー上院議員登場作品リスト

2 その他の作品

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Hate Laughs at Locksmiths 1947 - ドック・ヴィンセントもの
密室からの凶器の消失
2 海児魂 1953 早川文庫277-1「密室殺人傑作選」('03)
HPB1161「密室殺人傑作選」
水中の密室
3 The Bewitched Terrace
(The Fraudent Spirit)
1958 - 人間消失、生き霊の空中浮揚
4 狂った標的 マンハント'62.6

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