旧き良き探偵小説を彷彿とさせる本格ミステリを発表

UK ジェームズ・アンダースン
(James Anderson)

血染めのエッグ・コージイ事件
「血染めのエッグ・コージイ事件」
(1975年)
(扶桑社)

 イギリスの小説家。大学で歴史学を学んだ後、セールスマン、コピーライター、編集者、ジャーナリストを経て1969年に作家デビューを果たします。

 デビュー当初は現代風のスリラー小説を発表していましたが、4作目の長編「血染めのエッグ・コージイ事件」では、人里離れた古い屋敷オールダリー荘でミステリアスな殺人事件が発生し、そこに集まった人物全員が容疑者となって、最後に名探偵の推理によって事件の真相が解き明かされるという、まさにイギリス本格派黄金時代の旧き良き探偵小説を彷彿とさせるようなクラシックな舞台設定やトリック用い一躍注目を集めます。

 なおこの作品で舞台となったオールダリー荘はその後「切り裂かれたミンクコート事件」でも再度物語の舞台となり、2003年に22年ぶりに発表された第3作「The Affair of the 39 Cufflinks(39個のカフスリンク事件)」と合わせて3作品のシリーズになりました。

 本国アメリカでは他にユーモア長編「殺意の団欒」などでも知られていましたが、刑事コロンボシリーズの生みの親でもあるリチャード・レビンソンとウィリアム・リンクのコンビの手がけたミステリドラマ「ジェシカおばさんの事件簿」に脚本家として参加していたことでもよく知られています。また同シリーズのノベライズ版も何作か執筆しています。


■作家ファイル■

出身地
イギリス、ウィルトシャー州スウィンドン
学歴
レディング大学卒業
生没
1936年~2007年
作家としての経歴
1969
長編「Assassin(暗殺者)」で作家デビュー
1975
長編第4作目となる「血染めのエッグ・コージイ事件」を発表し、本格ミステリファンから注目を集める
1984
本格ミステリードラマ「ジェシカおばさんの事件簿」が放映開始。脚本家として参加
シリーズ探偵
推理作家ジェシカ・フレッチャー (Jessica Fletcher)(脚本家の一人として参加)
ウィルキンズ警部 (Inspector Wilkins)(オールダリー荘シリーズ)
マイケル(ミカエル)・ペトロス (Mikael Petros)
代表作
「シャーロック・ホームズ殺人事件」
「血染めのエッグ・コージイ事件」「証拠が問題」

■著作リスト■

1 推理作家 ジェシカ・フレッチャー登場作品リスト

2 ウィルキンズ警部登場作品リスト

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 血染めのエッグ・コージイ事件
(血のついたエッグ・コージイ)
1975 扶桑社ミステリー1054
文春文庫('88)
2 切り裂かれたミンクコート事件 1981 扶桑社ミステリー1060
3 The Affair of the 39 Cufflinks
(39個のカフスリンク事件)
2003 -

3 マイケル・ペトロス登場作品リスト

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Assassin
(暗殺者)
1969 -
2 The Abolition of Death 1974 -

4 その他の作品

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 The Alpha List 1972 -
2 Appearance of Evil 1977 -
3 Angel of Death 1978 -
4 殺意の団欒 1980 文春文庫('89) ユーモアミステリ
5 Auriol 1982 -
6 証拠が問題 1988 創元推理文庫228-4

【参考】「血染めのエッグ・コージイ事件」(扶桑社 扶桑社ミステリー)
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