英国初の外国人探偵

FRA ユージーヌ・ヴァルモン
(Eugène Valmont)

ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利
「ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利」
(1906年)
(国書刊行会)

 ロバート・バーの創造したイギリス推理小説史上、最初の外国人探偵。 あの有名なミステリーの女王アガサ・クリスティーの生み出した名探偵エルキュール・ポアロの原型ともいわれている探偵です。

 元はパリ警視庁の警視を務めたこともある人物ですが、現在は引退してロンドンのインペリアル・フラッツに住み、探偵事務所を開設しています。「忍耐と刻苦」を捜査の信条とし、イギリスの警察制度に不満を漏らしています。

 もっとも実際は名探偵というには程遠く、友人でスコットランド・ヤードのスペンサー・へイル警部が持ち込む事件に知恵を貸しますが、いつも失敗ばかりしているというユーモラスな探偵です。

 代表作「健忘症連盟(放心家組合)」はクイーンの〈黄金の十二〉にも選ばれている作品で、この作品を収めた短編集「ユージーヌ・ヴァルモンの勝利」はクイーンの定員にも選ばれています。


■原作■

ロバート・バー
(Robert Barr 英 1849-1912)


■人物ファイル■

職業
元フランス、パリ警視庁警部
現在は私立探偵
住所
ロンドンのインペリアル荘に暮らす
協力者
友人でスコットランド・ヤードのスペンサー・へイル警部
事件簿
8短編(1短編集)に登場

■事件ファイル■

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利 1906 国書刊行会('10) クイーンの定員35
1 ダイヤモンドのネックレスの謎 1904
2 シャム双生児の爆弾魔 1905
3 銀のスプーンの手がかり 1904
4 チゼルリッグ卿の失われた遺産
(遺産の隠し場)
(チズルリッグ卿の遺産)
(リズルリグ卿の遺産)
1905 早川文庫87-3「シャーロック・ホームズのライヴァルたち1」('83)
HPB250「名探偵登場1」('56)
バベル・プレス「本の殺人事件簿─ミステリ傑作20選2」('01)
5 うっかり屋協同組合
(健忘症連盟)
(放心家組合)
(うっかりもの連盟)
創元推理文庫100-1「世界短編傑作集1」('60)
HPB219「黄金の十二」('55)
東都書房 世界推理小説大系24「ハメット/ワイルド」('64)
東京創元社 世界推理小説全集50「世界短篇傑作集1」('57)
新青年'36新春増刊
黄金の十二
6 幽霊の足音
7 ワイオミング・エドの保釈
8 レディ・アリシアのエメラルド

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