「一ペニーでパズルを」

UK ルーパート・ペニー
(Rupert Penny)

警官の証言
「警官の証言」
(1938年)
(論創社)

 イギリスの推理小説界で1936年から1941年にかけて、「一ペニーでパズルを」をキャッチフレーズに8冊の長編推理小説を発表して忽然と姿を消したミステリー作家。エラリー・クイーンを思わせるような〈読者への挑戦状〉を挿入し、一貫してパズル色の濃い作品を発表し続けました。

 フェアプレイ精神にあふれたその作品群は当時のイギリスでも評判を呼んだようですが、今日では既に母国でも忘れ去られた作家のようです。

 この点従来は生年・経歴なども不詳の謎の推理作家とされてきましたが、最近になって彼の子息により少し経歴が判明し、コーンウォールに生まれ第二次世界大戦中はロンドン北部ブレッチェリーの英国政府暗号学校で働き、戦後もその後身である政府通信本部(GCHQ)に勤務し、1968年に引退。園芸好きで2年間英国花菖蒲協会の会長も務めていたこともあったといいます。

 作家としての経歴は、1936年にルーパート・ペニー名義で「The Talkative Policeman (おしゃべりな警官)」を発表後1941年までに8冊の本格ミステリを発表している他、マーティン・タナー (Martin Tanner) 名義でもスリラー作品を2つ発表しているとのことです。


■作家ファイル■

本名
アーネスト・バジル・チャールズ・ソーネット (Ernest Basil Charles Thornett)
出身地
イギリス、コーンウォール
生没
1909年3月20日~1970年12月5日(61歳)
作家としての経歴
1936
長編「The Talkative Policeman (おしゃべりな警官)」を皮切りに、コリンズ社クライムクラブ叢書から全8編の長編を発表
シリーズ探偵
エドワード・ビール主任警部 (Edward Beale)
代表作
「警官の証言」「甘い毒」

■著作リスト■

1 エドワード・ビール主任警部登場作品リスト

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 The Talkative Policeman
(おしゃべりな警官)
1936 -
2 Policeman's Holiday 1937 -
3 Policeman in Armour -
4 The Lucky Policeman 1938 -
5 警官の証言 論創社 論創海外ミステリ88('09)
6 She Had to Have Cas 1939 -
7 甘い毒 1940 国書刊行会 世界探偵小説全集19('97)
8 Sealed-Room Murder
(密室殺人)
1941 -

2 その他の作品

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Cut and Run 1941 - マーティン・タナー名義

【参考】「警官の証言」(論創社 論創海外ミステリ)
access-rank


TOPへ