ホームズもののパロディ〈シュロック・ホームズ〉の作者にして、短編の名手

ロバート・Ｌ・フィッシュ
(Robert L. Fish)
〔別名　ロバート・L・パイク (Robert L. Pike)〕

「シュロック・ホームズの冒険」
（1966年）
（早川書房）

　アメリカのミステリー作家。フィッシュ名義の他にロバート・Ｌ・パイクのペンネームでも多数作品を発表しています。

　40歳の時に小説を書き始め、エンジニアとしてブラジル、リオデジャネイロに在住中に《エラリー・クイーンズ・ミステリー・マガジン（ＥＱＭＭ）》にシャーロック・ホームズのパロディ短編「アスコット・タイ事件」を投稿したのときっかけとして、1963年、長編「亡命者」で作家デビューを果たし、これがアメリカ探偵作家クラブ（ＭＷＡ）賞の新人賞を受賞する名誉に輝きます。

　長編も多数発表していますが、短編小説の名手としても有名で、1972年に短編「月下の庭師」でアメリカ探偵作家クラブ（ＭＷＡ）賞の最優秀短編賞を受賞しているほか、またシャーロック・ホームズもののパロディ〈三文探偵シュロック・ホームズ〉シリーズの著者としても有名です。

　ちなみに「シュロック」とは「シャーロック」のもじりであるだけでなく、「三文」という意味もあるのだそうです。

「懐かしい殺人」
（1968年）
（早川書房）

　他にも３人の老ミステリ作家が自分たちの書いてきた殺人の手口を実行に移すという〈殺人同盟〉というシリーズを３作品書き、またシリアスなサスペンス小説の筆も執るなど、多方面に渡って活躍した作家で、その才能を買われてサッカーの神様ペレの自伝の共同執筆者を任されたこともあった程です。

　1981年、シュロック・ホームズものの短編を執筆中に倒れて亡くなりますが、彼の死後には夫人とアメリカ探偵作家クラブ（ＭＷＡ）によって、最優秀処女短編賞としてのフィッシュ賞が創設されています。

■作家ファイル■

出身地

アメリカ、オハイオ州クリーヴランド

学歴

ケイス応用科学学校（現ケイス・ウェスタン・リザーヴ大学）卒

生没

1912年8月21日～1981年2月23日（68歳）

作家としての経歴

1960

エンジニアとしてブラジル、リオデジャネイロに在住中に《エラリー・クイーンズ・ミステリー・マガジン（ＥＱＭＭ）》にシャーロック・ホームズのパロディ短編「アスコット・タイ事件」を投稿
その後全32編のシュロック・ホームズものを執筆

1963

第１長編「亡命者」でアメリカ探偵作家クラブ（ＭＷＡ）賞の新人賞を受賞

1972

短編「月下の庭師」でアメリカ探偵作家クラブ（ＭＷＡ）賞の最優秀短編賞を受賞

1978

アメリカ探偵作家クラブ（ＭＷＡ）の会長に就任

シリーズ探偵

三文探偵シュロック・ホームズ (Schlock Homes)
パーシヴァル卿と殺人同盟 (The Murder League)
ホセ・ダ・シルヴァ警部 (Captain Jose Da Silva)
密輸人ケック・ハウゲンス (Kek Huuygens)
クランシー警部補 (Lieutenant Clancy)（ロバート・Ｌ・パイク名義）
リアダン警部補 (Lieutenant Jim Reardon)（ロバート・Ｌ・パイク名義）

代表作

【シュロック・ホームズ】

「シュロック・ホームズの冒険」（短編集）

【その他】

「亡命者」「ブリット」
「月下の庭師」（短編）

■著作リスト■

１　三文探偵シュロック・ホームズ登場作品リスト

２　パーシヴァル卿と殺人同盟シリーズ作品リスト

３　ホセ・ダ・シルヴァ警部登場作品リスト

４　クランシー警部補登場作品リスト

【長編】

【邦訳短編】

５　密輸人ケック・ハウゲンス登場作品リスト

【長編】

【短編集】

６　リアダン警部補登場作品リスト

７　その他の作品

【長編】

【日本で独自編纂の短編集】

【邦訳短編】

【編書】

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