デニス・ルヘイン
(Dennis Lehane)

　デニス・レヘインとも表記。アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンのドーチェスター生まれのミステリー作家。アメリカの老舗ブランド「シアーズ・ローバックス」の職場主任をしていた父親と、公立学校の食堂で働いていた母親の間に生まれ、奨学金を得てフロリダ州のエッカード・カレッジで創作を学び始め、本人曰く「暗い難解な短編やシナリオばかり」を書いていたといいます。

　そして在学中「遊びのつもりで」書いたという小説が指導教官の目に留まり、推敲を重ねた上で出版エージェントに送った所見事に出版が決定。それがデビュー作となった長編「スコッチに涙を託して」でした。

　1994年、29歳の時に出版された同作品はアメリカ私立探偵作家協会（ＰＷＡ）の主催するシェイマス賞の最優秀処女長編賞を受賞する栄誉に輝き、以後はデビュー作にも登場した探偵パトリック＆アンジーを主人公に生まれ故郷のボストン舞台にした長編を次々に発表。第３長編「穢れしものに祝福を」では1998年のシェイマス賞最優秀長編賞の候補作となった他、同年のネロ・ウルフ賞を受賞しています。

　1999年に探偵パトリック＆アンジーものの第５長編「雨に祈りを」を発表した後はノンシリーズ長編を発表していて、2001年に発表した「ミスティック・リバー」は全米ベストセラーとなりアンソニー賞の最優秀長編賞を受賞。その後2003年にクリント・イーストウッド監督で映画化もされ、第76回アカデミー賞の作品賞をはじめとする６部門にノミネートされるなど大ヒットし、ルヘインの人気と知名度を不動のものとしました。

　2009年には2003年に発表したノンシリーズ長編「シャッター・アイランド」がレオナルド・ディカプリオ主演で映画化されるなど、現代ミステリー界で最も注目を集めている作家の一人です。