居合わせた女 タイトル

居合わせた女

原題

Innocent Bystander

発表年

1949

著者/訳者/解説

クレイグ・ライス/恩地三保子/恩地三保子

カバーデザイン

上泉秀俊

ページ数

168

あらすじ(解説文)

出版

早川書房
ハヤカワポケットミステリ618
ロサンゼルスの遊園地”波止場”は、その夜もまた、いつもの土曜日の夜のように大入りのにぎわいだった。群集の声、機械がまわる音、念仏めいた呼びこみの声のすべてが、いつもと変わらなかった。しかし事件は、人知れずひそかに起っていたのだ。
その夜、観覧車のなかではひとりの男が、ナイフで刺し殺されていた。そして、そのわきでは若い男─刑務所を出たてのトニイ・ウェッブが、死体を入念にさぐっていた。折も折、観覧車全体をはっきりと見通せる位置で、聾唖者の似顔絵描きアンビイに似顔を描かせている若い娘がいた。おそらく、その娘は事件の一部始終を目撃していたにちがいない。死体が発見され、事件が明るみに出ると、警察はまずこの女を探しはじめた。ただひとつアンビイの似顔絵を手掛りとして─。が、トニイ・ウェッブもまた、警察とは別にこの女を探していた。
傷ついたバラのような唇に謎めいた微笑をうかべ、刑事を妖しい魅力で誘惑する一方で、頼りきった表情で純情可憐な娘を演じてトニイを夢中にさせる若い娘。彼女はただ現場に居合わせただけの、何も知らない目撃者なのか、それとも……?
群集のまっただなかで起った殺人事件と、夜の遊園地で繰り広げられる追跡劇。ライス独特のユーモアとウィットに、ハードボイルド的味わいを加えた異色作。

初版

1961年

重版

1984年再版(540円)

入手

amazon

ISBN

4-15-000618-0

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