海の門 タイトル

海の門

原題

La porte du large

発表年

1969

著者/訳者

ボアロー、ナルスジャック/荒川比呂志

カバーデザイン

勝呂忠

ページ数

181(巻末にボアロー、ナルスジャック著作リスト)

あらすじ(解説文)

出版

早川書房
ハヤカワポケットミステリ1124
マンションのまわりでは冷たい風雨が吹き募り、荒い海が海鳴りを轟かせていた。ジョルジュ・セーブルはおそろしい孤独に耐えていた。それは警察の目をのがれてひとりきりで人気のないマンションの閉じ籠っているためだけではなかった。いま自分が見知らぬ人間に変りつつあることが不安だった。真面目で社会的地位のあるセーブルは死んだのだ。ここに居るのはバイタリティにあふれ、遊び人の義弟のメリベルに似た男だ。数時間前のあの酸鼻な事件、それがすべてをくつがえしたのだった。
フランス有数の不動産会社の共同経営者であるセーブルとメリベルは数日前からメリベルの山荘で狩猟を楽しんでいた。その山荘の自室で、メルベルは猟銃で自殺したのだ。元社員のモープレという男が現われ、莫大な額にのぼるメリベルの背信行為を告げ、多額の口止料を要求して帰った直後のことだった。そして血みどろな義弟の死体を発見したとき、セーブルは突如義弟と入れかわり自己を社会から消滅させたいという自分でも分らぬ衝動にかられたのだ。……妹が迎えに来るまでの一日一日が気が狂いそうな孤独のうちに過ぎていった。そんなある日、訪れる者のないはずのマンションの呼鈴をおす旅装姿の女があった! 現代人にひそむ蒸発願望、孤独、愛を掘り下げるフランス・サスペンス・ミステリの秀作。

初版

1970年(330円)

重版

入手

amazon

ISBN

4-15-001124-9

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