新本格ミステリの人気作家の一人森博嗣の生み出した素人探偵で、N大学工学部建築学科助教授。初登場時は32歳。その風貌はメガネをかけている以外はこれといった特徴はあまり語られず、同じ色の靴下やネクタイばかりしている通り服装には無頓着で、ノーネクタイで通すこともしばしばです。
また自身の教え子である西之園萌絵の父親・西之園恭輔博士の教え子であり、シリーズではその萌絵とともに多くの事件に遭遇し、これを解決に導いていきます。
とはいっても犀川自身基本的に事件には無関心であり、テレビや新聞は読まないと公言している通り元来人間に対して興味を示さず小さい頃から無口で人付き合いも良い方ではなかったため、積極的に捜査活動をするというよりは、むしろ萌絵などの周囲のキャラクターに押されるような形で仕方なく捜査に参加するはめになると言った方が正しいかもしれません。
もっともそんな状況に置かれても、持ち前の頭の回転の早さと発想の柔軟性で事件を多角的に捉えて的確な推理を展開、結局最後には事件の謎を解明してみせてくれます。
他にも計算が異常に速いとか、毎朝時計を秒針まで合わせるほど時間にうるさいなどの特徴を持つ半面、意味のないジョークを時々言うなどの変った癖を数多く持つ風変わりなキャラクターです。
一方もう一人の主人公である教え子の西之園萌絵の方は、犀川の恩師である西之園恭輔博士の娘で、叔父は愛知県警の本部長、他にも親戚に数多くの大物がいて、いつも執事の諏訪野をそばに従えているお嬢様です。
犀川同様に頭の回転は早い半面、犀川と違って好奇心は旺盛でミステリが大好き、また冒険好きな面も持っているおてんばでもあります。
そして犀川のことをいつも気にかけているのは読者から見れば明らかなのですが、肝心の犀川はかなり鈍感なようでそれには気づいておらず、いつも読者をやきもきさせてくれます。
この二人の恋愛模様がもう一つの軸となって、本格ミステリとしての本シリーズに花を添えてくれています。
No. | 事件名 | 発表年 | 出版 | 備考 |
1 | すべてがFになる | 1996 | 講談社文庫('98) 講談社ノベルス |
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2 | 冷たい密室と博士たち | 講談社文庫('99) 講談社ノベルス |
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3 | 笑わない数学者 | 講談社文庫('99) 講談社ノベルス |
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4 | 詩的私的ジャック | 1997 | 講談社文庫('99) 講談社ノベルス |
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5 | 封印再度 | 講談社文庫('00) 講談社ノベルス |
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6 | 幻惑の死と使途 | 講談社文庫('00) 講談社ノベルス |
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7 | 夏のレプリカ | 1998 | 講談社文庫('00) 講談社ノベルス |
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8 | 今はもうない | 講談社文庫('01) 講談社ノベルス |
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9 | 数奇にして模型 | 講談社文庫('01) 講談社ノベルス |
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10 | 有限と微小のパン | 講談社文庫('01) 講談社ノベルス |
No. | 事件名 | 発表年 | 出版 | 備考 | |
1 | まどろみ消去 | 1997 | 講談社文庫('00) 講談社ノベルス |
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1 | ミステリィ対戦の前夜 | ||||
2 | 誰もいなくなった | 講談社「どちらかが魔女 ―森博嗣シリーズ短編集」('08) | |||
2 | 地球儀のスライス | 1999 | 講談社文庫('02) 講談社ノベルス |
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1 | 石塔の屋根飾り | 講談社「どちらかが魔女 ―森博嗣シリーズ短編集」('08) | |||
2 | マン島の蒸気鉄道 | 講談社「どちらかが魔女 ―森博嗣シリーズ短編集」('08) | |||
3 | 今夜はパラシュート博物館へ | 2001 | 講談社文庫('04) 講談社ノベルス |
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1 | どちらかが魔女 | 講談社「どちらかが魔女 ―森博嗣シリーズ短編集」('08) | |||
2 | 双頭の鷲の旗の下に | 講談社「どちらかが魔女 ―森博嗣シリーズ短編集」('08) | |||
4 | 虚空の逆マトリクス | 2003 | 講談社ノベルス | ||
1 | いつ入れ替わった? | 講談社「どちらかが魔女 ―森博嗣シリーズ短編集」('08) |
No. | 事件名 | 発表年 | 出版 | 備考 |
1 | 四季 秋 | 2004 | 講談社ノベルス |
No. | 事件名 | 発表年 | 出版 | 備考 |
1 | すべてがFになる | 2001 | 幻冬舎コミックス漫画文庫('07) 幻冬舎コミックス(BIRZ COMICS SPECIAL) |
作画・スズキユカ |
2 | 冷たい密室と博士たち | 2003 | 幻冬舎コミックス漫画文庫('07) 幻冬舎コミックス(BIRZ COMICS SPECIAL) |
作画・スズキユカ |