迷宮だらけの迷推理

UK 三文探偵 シュロック・ホームズ
(Schlock Homes)

シュロック・ホームズの冒険
「シュロック・ホームズの冒険」
(1966年)
(早川書房)

 現代を代表する短編の名手であるアメリカの推理小説家ロバート・L・フィッシュの生み出した迷宮だらけの迷探偵。

 星の数ほどあるコナン・ドイルのシャーロック・ホームズ・シリーズのパロディ、パスティーシュの中でも、オーガスト・ダーレスの〈ソーラー・ポンズ〉シリーズやドイルの息子エイドリアンと黄金時代の巨匠ディクスン・カーの合作した「シャーロック・ホームズの功績」とともにファンや評論家の間から高い評価を得ているシリーズです。

 本シリーズはシュロック・ホームズとワトニイ博士のしくじりを題材としていて、二人の失敗談をユーモアと機知に富んだ語り口で聞かせてくれます。

 洒落や語呂合わせなど英語の原点で読まないと分からない部分もあるのが残念ではありますが、それを差し引いても十分に楽しむことができるユーモラスな好シリーズです。


■原作■

ロバート・L・フィッシュ
(Robert L. Fish 米 1912-81)


■人物ファイル■

住所
イギリス、ロンドンベイグル街221番地B
協力者
ワトニイ博士、兄のクリスクロフト氏
ライヴァル
マーティ教授
事件簿
2短編集全32短編
1冊の全集

■事件ファイル■

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 シュロック・ホームズの冒険 1966 早川文庫42-1
HPB1079
クイーンの定員122
1 アスコット・タイ事件 1960 光文社文庫「シュロック・ホームズの迷推理」
早川書房 世界ミステリ全集18「37の短篇」('73)
EQMM'63.10
2 赤毛の巨人 EQMM'64.5
3 アダム爆弾の怪 EQMM'63.10
HMM'89.8
4 黒眼鏡の楽団 EQMM'64.7
5 奇妙な手紙
(奇妙な手紙事件)
1961 EQMM'63.10
6 消えたチェイン=ストローク HMM'69.4
7 画家の斑紋 HMM'69.4
8 ダブルおばけの秘密
(二重おばけの冒険)
1962 東京書籍「バンカーから死体が」('88)
立風書房「現代アメリカ推理小説傑作選2」('81)
荒地出版社「年刊推理小説ベスト16(1964年度版)」
EQMM'63.10
9 罠におちたドラマー 1963 EQMM'65.6
10 贋物の君主
11 誘拐された王子 1962 EQMM'63.10
12 シュロック・ホームズ最後の事件 1964
2 シュロック・ホームズの回想 1974 早川文庫42-4
1 シュロック・ホームズの復活 1964 光文社文庫「シュロック・ホームズの迷推理」
HMM'75.10
2 むこうみずな相場師 1965
3 寡婦のタバコ 1966 HMM'66.11
4 アルスター切手の謎 1967 HMM'67.5
5 スリークォーターズ紛失事件 HMM'68.1
6 ホイッスラーの母蒸発事件
(ウィスラーの母失踪事件)
1968 HMM'69.6
7 騎士館のホットドッグ事件
(犬も歩けば)
1970 HMM'71.2
8 ブライアリ・スクールの怪事件 1973 HMM'74.7
9 二輪馬車の身の代金事件
(二輪馬車誘拐事件)
HMM'73.8
10 大トレイン盗難事件 1974 HMM'75.2  
11 ブラック、ピーター事件 HMM'75.6
3 Schlock Homes ; The Complete Bagel Street Saga 1990 光文社文庫「シュロック・ホームズの迷推理」(1~9他2編) 短編集1・2を含めた全32編を収録
1 奇人ロッタリーズ氏 1975 HMM'77.1
2 エリート・タイプの怪事件
(シュロック・ホームズの迷推理)
1977 講談社文庫「ユーモアミステリ傑作選」('80)
EQ'94.7
EQ'78.1
3 動物輸送車事件 EQ'78.7(4)
4 謎の郵便番号 1979 EQ'79.11(12)
5 不思議なレストラン 1980 EQ'80.9
6 純文字の殺人 EQ'81.9
7 短気な導火線 EQ'81.9
8 ウクライナの孤児 1981 EQ'81.9
9 ハメルンの酔いどれ笛吹き EQ'82.3(26) 最後の作品

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