ぼくはめいたんてい

USA めいたんていネート
(Nate the Great)

きえた犬のえ
「きえた犬のえ」
(1972年)
(大日本図書)

 アメリカの女流児童文学作家マージョリー・ワインマン・シャーマットの生み出した、少年・少女向けのジュヴナイル・ミステリに登場する9歳の男の子の名探偵。

 この《めいたんていネート》シリーズは、1972年に第1作「きえた犬のえ」が発表されて以来、マーク・シマントの味わいのあるイラストの数々も手伝ってアメリカの幼い子供たちの間で人気を博し、現在まで30年以上にわたって20以上の作品が書き続けられている人気シリーズです。

 ネートはパンケーキの大好きな9歳の少年で探偵ごっこが大好き。事件を依頼する電話がかかってくると、その依頼がいつもダイヤモンドがなくなった…とか百万ドルが盗まれた…というような大きな事件に関するものであることを期待します。

 しかし9歳の少年のところにそんな依頼が舞い込むはずもなく…それでもガッカリしないで、ディアストーカーという前後のひさしのついた帽子にトレンチコートという、シャーロック・ホームズばりのキリッとした探偵らしい格好に身を包み、ママに置手紙を残して、愛犬スラッジとともに颯爽と事件捜査に出かけていきます。

いそがしいクリスマス
「いそがしいクリスマス」
(1996年)
(大日本図書)

 この《めいたんていネート》シリーズで扱われる事件は、なくなった黄色い犬の絵や買いものメモ、恐竜の切手などを探し出したり、真夜中にゴミのカンを漁りにくる犯人を突き止めたりと、すべて子供たちの日常生活の中にあるちょっとした出来事に過ぎません。

 しかしこういったまさしく普段自分たちの周囲でも起こり得る事件を、弱冠9歳の少年が懸命に知恵を振り絞り、丁寧に推理を積み重ねて一つ一つ解いていく姿に、小さな子供の読者たちが自分を重ね合わせ、共感できる所にこのシリーズの大きな魅力があるといえます。

 ちなみに日本でもこのシリーズは好評を博し、数多くの翻訳がなされていますが、邦訳のない作品はこのシリーズの初期作品の訳者である光吉夏弥氏の言によると、英語の「ことば」が鍵になっていて翻訳が難しいために断念せざるを得なかったということのようです。


■原作■

マージョリー・W・シャーマット
(Marjorie Weinman Sharmat 米 1928- )


■人物ファイル■

年齢
9歳
愛用品
シャーロック・ホームズばりのディアストーカーという前後のひさしのついた帽子とトレンチコート
好きなもの
パンケーキ
協力者
飼い犬の愛犬スラッジ
風変りな女の子のロザモンドとそのペットの4匹のネコ
アニーとその飼い犬のファング(牙)
いつも誰かと一緒にいたいくっつき虫のオリバー
事件簿
25編に登場

■事件ファイル■

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 きえた犬のえ 1972 大日本図書 ぼくはめいたんてい1('82)
2 まよなかのはんにん 1974 大日本図書 ぼくはめいたんてい2('82)
3 なくなったかいものメモ 1975 大日本図書 ぼくはめいたんてい3('82)
4 Nate the Great and the Phony Clue 1977 -
5 きょうりゅうのきって 1978 大日本図書 ぼくはめいたんてい4('82)
6 かぎはどこだ 1981 大日本図書 ぼくはめいたんてい5('82)
7 ゆきの中のふしぎなできごと 1982 大日本図書 ぼくはめいたんてい6('83)
8 ペット・コンテストは大さわぎ 1985 大日本図書 めいたんていネート1('02)
9 きえた草のなぞ 1986 大日本図書 めいたんていネート2('02)
10 Nate the Great and the Boring Beach Bag 1987 -
11 だいじなはこをとりかえせ 1989 大日本図書 めいたんていネート3('02)
12 Nate the Great and the Halloween Hunt -
13 Nate the Great and the Musical Note 1990 -
14 2るいベースがぬすまれた?! 1992 大日本図書 めいたんていネート4('02)
15 ねむいねむいじけん 1993 大日本図書 めいたんていネート5('02) ロザリンド・ワインマンとの合作
16 Nate the Great and the Mushy Valentine 1994 -
17 Nate the Great and the Tardy Tortoise 1995 -
18 いそがしいクリスマス 1996 大日本図書 めいたんていネート6('02) クレイグ・シャーマットとの合作
19 Nate the Great Saves the King of Sweden 1997 -
20 Nate the Great and Me: The Case of the Fleeing Fang 1998 -
21 Nate the Great and the Monster Mess 1999 -
22 Nate the Great, San Francisco Detective 2000 -
23 Nate the Great and the Big Sniff 2001 -
24 Nate the Great on the Owl Express 2003 - Mitchell Sharmat との合作
25 Nate the Great Talks Turkey 2006 -

【参考】「きえた犬のえ」(大日本図書 ぼくはめいたんてい1)
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