グルメ・ガイドブックの覆面調査員は元パリ警視庁刑事

FRA アリスティード・パンプルムース氏
(Monsieur Aristide Pamplemousse)

パンプルムース氏のおすすめ料理
「パンプルムース氏のおすすめ料理」
(1983年)
(東京創元社)

 児童文学”くまのパディントン”シリーズで世界的に有名なイギリスの作家マイケル・ボンドの生み出したキャラクター。
 職業は〈ル・ギード〉というグルメ・ガイドの記者兼レストランの採点役として働いていますが、パリ警視庁の元刑事で、その経験を活かして行く先々で事件を解決していきます。

 年齢50歳ぐらいで、大変な美食家でワイン通。少しばかり艶っぽくきわどいところもあるミステリー。男性的魅力にもあふれ、「女にかけては凄腕」で鳴らしたこともあるらしいのですが、現在は妻のドゥーセットに頭が上がりません。

 そして彼の相棒として毎回登場し、パディントンを彷彿とさせる魅力的な描写で物語に大きな厚みを与えているのが主人をこよなく愛するポムフリットという名前のブラッドハウンド犬。

 体重40~45キロの大型犬で、数学は苦手で少し愚痴っぽく、イラズラ好きなのが玉にキズですが、誰からも好かれる性格で、料理やワインに一家言もち、訓練を受けた警察犬で弾道学にも精通しており、いざというときは主人を助けて大活躍を見せてくれます。

パンプルムース氏の秘密任務
「パンプルムース氏の秘密任務」
(1984年)
(東京創元社)

 このシリーズは本格ミステリというよりは、彼の味わう料理や酒に関するうんちくに耳を傾けつつ、彼と出会う個性豊かな登場人物たちのおとぼけやユーモアに満ちたやり取りを楽しむという趣向になっており、主人公と一緒にフランス旅行に行った気分にもさせてくれる、愛すべきシリーズです。

 ちなみにパンプルムース氏はフランス語でグレープフルーツ、ポムフリットはフライドポテトを意味します。


■原作■

マイケル・ボンド
(Michael Bond 英 1926- )


■人物ファイル■

職業
〈ル・ギード〉というグルメ・ガイドの記者兼レストランの採点役
生年
1929年
身長・体重
172センチ98キロ
顔の色つやはピクニック色(ピンク色で健康そのもの)
協力者
元警察犬で愛犬のポムフリット
妻のドゥーセット
〈ル・ギード〉の編集長
〈ル・ギード〉の経理係の婦人マダム・グラント

■事件ファイル■

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 パンプルムース氏のおすすめ料理 1983 創元推理文庫215-2
東京創元社('98)
2 パンプルムース氏の秘密任務 1984 創元推理文庫215-3
東京創元社('99)
3 パンプルムース家の犬 1986 創元推理文庫215-4
4 パンプルムース氏のダイエット 1987 創元推理文庫215-5
5 パンプルムース氏と飛行船 1989 創元推理文庫215-6
6 パンプルムース氏対ハッカー 1990 創元推理文庫215-7
7 パンプルムース氏の晩餐会 1991 創元推理文庫215-8
8 パンプルムース氏とホテルの秘密 1992 創元推理文庫215-9
9 Monsieur Pamplemousse on Location -
10 Monsieur Pamplemousse Takes the Train -
11 Monsieur Pamplemousse Afloat 1998 -
12 Monsieur Pamplemousse on Probation 2000 -
13 Monsieur Pamplemousse on Vacation 2001 -
14 Monsieur Pamplemousse Hits the Headlines 2003 -
15 Monsieur Pamplemousse and the Militant Midwives 2006 -
16 Monsieur Pamplemousse and the French Solution 2007 -
17 Monsieur Pamplemousse and the Carbon Footprint 2010 -

【短編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Monsieur Pamplemousse Tells the Tale
パンプルムース氏のとっておきの話
1998 HMM'04.5

【アンソロジー・オムニバス】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Monsieur Pamplemousse Omnibus Volume One 1998 -
2 Monsieur Pamplemousse Omnibus Volume Two 1999 -
3 Monsieur Pamplemousse Omnibus Volume Three -

【参考】「パンプルムース氏のおすすめ料理」(東京創元社 創元推理文庫)
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