MWA賞・CWA賞の常連

UK ルース・レンデル
(Ruth Rendell)
〔別名 バーバラ・ヴァイン (Barbara Vine)〕

運命のチェスボード
「運命のチェスボード」
(1967年)
(東京創元社)

 P・D・ジェイムズとともに現代の英国女流ミステリーを代表する作家。 その作品は、本国イギリスはもとよりアメリカをはじめ全世界中で大きな支持を集めていて、世界20カ国以上で翻訳、愛読されているそうです。

 またCWA(英国推理作家協会)賞の常連で、ゴールド・ダガー賞を4度も受賞し、他にも数多くの賞に輝いており、名実ともに現代最高のミステリ作家といえます。

 両親とも教師をしている家庭に生まれ、高校を卒業した後、〈エクスプレス・アンド・インディペンデント〉紙に勤務し、そこで記者と副編集長を務めます。

 その仕事の傍ら様々なジャンルの小説を書き出版社に送るもののなかなか採用されず、たまたま趣味で書いたというミステリ小説を編集者に見せた所がすぐに採用が決まり、見事作家デビューを果たすことになったといいます。

 こうして1964年、ウェクスフォード警部シリーズ第1作である「薔薇の殺意」が刊行されたのでした。

わが目の悪魔
「わが目の悪魔」
(1976年)
(角川書店)

 その後はウェクスフォード警部をシリーズ・キャラクターに据えたとした本格色の濃い作品と、ノン・シリーズの主に異常心理を題材にしたサイコ・スリラーの作品とを交互に発表していきます。

 どちらも巧みな構成・鋭い人間観察と細やかな情景描写で重厚な作りの作品に仕上がっており、非常に読み応えのある作品が多いのが特徴です。

 このように幅広いジャンルに挑戦し、そのどれもが高い評判を受けており、その実力は数々の賞を受賞している所からも窺い知れます。

 ウェクスフォード警部のシリーズは本国イギリスではドラマ化もされて、こちらも好評を博しています。また日本国内でも放送・ビデオ化されました。


■作家ファイル■

出身地
イギリス、ロンドン
学歴
エセックス州のラウトン高校卒
生没
1930年2月17日~
作家としての経歴
1964
ウェクスフォード警部シリーズ第1作である長編「薔薇の殺意」でデビュー
1975
短編「カーテンが降りて」でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞の最優秀短編賞を受賞
1976
長編「わが目の悪魔」でイギリス推理作家協会(CWA)賞のゴールド・ダガー賞を受賞
1984
長編「身代りの樹」でイギリス推理作家協会(CWA)賞のシルヴァー・ダガー賞を受賞
短編「女ともだち」でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞の最優秀短編賞を受賞
1986
長編「引き攣る肉」でイギリス推理作家協会(CWA)賞ゴールドダガー賞を受賞
1987
バーバラ・ヴァイン名義の長編「死との抱擁」でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長編賞を受賞
バーバラ・ヴァイン名義の長編「運命の倒置法」でイギリス推理作家協会(CWA)賞ゴールド・ダガー賞を受賞
1991
バーバラ・ヴァイン名義の長編「ソロモン王の絨毯」でイギリス推理作家協会(CWA)賞ゴールド・ダガー賞を受賞
イギリス推理作家協会(CWA)賞ダイヤモンド・ダガー賞を受賞
1997
アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞巨匠賞を受賞
シリーズ探偵
レジナルド・ウェクスフォード警部 (Chief Inspector Reginald Wexford)
代表作
【ウェクスフォード警部】
「運命のチェスボード」「死が二人を別つまで」
【ノンシリーズ】
「わが目の悪魔」「身代りの樹」
「運命の倒置法」「ソロモン王の絨毯」(ヴァイン名義)
「カーテンが降りて」(短編集)「女ともだち」(短編)他多数
ランキング
EQアンケート78位

■著作リスト■

1 レジナルド・ウェクスフォード首席警部登場作品リスト

2 バーバラ・ヴァイン名義作品リスト

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 死との抱擁 1986 角川文庫('88) MWA賞長編賞('87)
2 A Fatal Inversion
運命の倒置法
1987 角川文庫('91) CWA賞ゴールド・ダガー賞('87)
3 階段の家 1988 角川文庫('90)
4 哀しきギャロウグラス 1990 角川文庫('93)
5 ソロモン王の絨毯 1992 角川文庫('01) CWA賞ゴールド・ダガー賞('91)
6 アスタの日記 1993 扶桑社ミステリー0553・0554(上下)('97)
7 No Night is Too Long
長い夜の果てに
1994 扶桑社ミステリー('98)
8 ステラの遺産 1995 HPB1674
9 The Chimney-sweeper's Boy
煙突掃除の少年
1998 HPB1712
10 Grasshopper 2000 -
11 Blood Doctor 2002 -
12 The Minotaur 2005 -

3 その他の作品

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 To Fear A Painted Devil
絵に描いた悪魔
1965 角川文庫('86)
2 Vanity Dies Hard
虚栄は死なず
光文社文庫('88)
3 死のひそむ家 1968 創元推理文庫243-3
4 One Across, Two Down
悪夢の宿る巣
1971 角川文庫('87)
5 The Face of Trespass
緑の檻
1974 角川文庫('88)
6 わが目の悪魔 1976 角川文庫('82) CWA賞ゴールド・ダガー賞('76)
7 ロウフィールド館の惨劇 1977 角川文庫('84)
8 死のカルテット 1979 角川文庫('85)
9 地獄の湖 1980 角川文庫('86)
10 荒野の絞首人 1982 角川文庫('85)
11 殺す人形 1984 早川文庫197-2
HPB1462
12 身代りの樹 早川文庫197-1
HPB1468
CWA賞シルヴァー・ダガー賞('84)
13 引き攣る肉 1986 角川文庫('88) CWA賞ゴールド・ダガー賞('86)
14 Heartstones
ハートストーン
1987 福武書店('89)
15 死を誘う暗号 角川文庫('92)
16 石の微笑 1989 角川文庫('98)
17 Going Wrong
求婚する男
1990 角川文庫('96)
18 The Crocodile Bird
殺意を呼ぶ館
1993 扶桑社ミステリー('99)
19 The Keys to the Street 1996 -
20 心地よい眺め 1998 HPB1736
21 Adam and Eve and Pinch Me 2001 -
22 The Rottweiler 2003 -
23 13 Steps Down 2004 -
24 The Water's Lovely 2006 -

【短編集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 The Fallen Curtain
カーテンが降りて
─レンデル傑作集1
1976 角川文庫('88)
1 カーテンが降りて 1974 早川文庫80-8「エドガー賞全集/下 アメリカ探偵作家クラブ傑作選6」('83)
光文社文庫「女を脅した男」
HMM'75.3
MWA賞短編賞('75)
2 誰がそんなことを
(こんなことをするはずがない)
1976 創元推理文庫200-2「今月のペテン師」('80)
HMM'87.6
3 悪い心臓 HMM'87.6
4 用心の過ぎた女
5 生きうつし
(離ればなれ)
HMM'85.12
6 はえとり草
(ハエトリ草)
1973 HMM'73.4
7 しがみつく女
(ぶらさがる女)
HMM'75.8
8 酢の母
9 コインの落ちる時 HMM'76.8
10 人間に近いもの
11 分裂は勝ち
(分身)
白水社「ダブル/ダブル」('94)
2 The Fever Tree
熱病の木
─レンデル傑作集2
1982 角川文庫('88)
1 熱病の木
(フィーバー・ツリー)
1982 扶桑社「スカーレット・レター」('93)
2 最後の審判
3 私からの贈り物
(輝ける未来)
1977 文春文庫「レベッカ・ポールソンのお告げ」('94)
EQ'78.3
4 女を脅した男
(秘密の副業)
1982 扶桑社ミステリー「ミステリアス・エロティクス」('98)
光文社文庫「女を脅した男」
EQ'83.3(32)
5 不幸な暗号 1980 EQ'81.7
6 毒を愛した少年 EQ'82.3(26)
7 メイとジェーン
8 悪魔の編み針 1980
9 思い出のベンチ 1978
10 絵具箱の館 1980
11 タイプがちがう
3 The New Girlfriend
女ともだち
─レンデル傑作集3
1985 角川文庫('89)
1 女ともだち 1983 早川文庫80-16「新エドガー賞全集 アメリカ探偵作家クラブ傑作選14」('92)
光文社文庫「女を脅した男」
EQ'84.1
EQ'97.11
MWA賞短編賞('84)
2 ダーク・ブルーの香り
(ヒヤシンスのような深いブルー)
1980 早川文庫85-1「新・読者への挑戦」('83)
HMM'80.12
EQ'86.11
3 四十年後
(桜の木農場)
1983 扶桑社ミステリー0433「ウーマン・オブ・ミステリー2」('95)
EQ'87.11
4 殺意の棲む家
(ヘアの家)
1984 ジャーロ'02春
5 ポッター亭の晩餐 EQ'78.1
6 口笛を吹く男 1985
7 時計は苛む 光文社文庫「女を脅した男」
EQ'86.1
8 狼のように 1983 光文社文庫「世界ベスト・ミステリー50選/下」('94)
9 フェン・ホール 1984 EQ'86.3(50)
10 父の日 光文社文庫「女を脅した男」
EQ'85.7(46)
11 ケファンダへの緑の道 1981
4 The Copper Peacock
(銅の孔雀)
1991 - ウェクスフォード1編他
全9編
1 黄色い百合 1988 扶桑社ミステリー「ウーマン・オブ・ミステリー」('92)
EQ'89.9(71)
2 Paperwork
紙細工の家
1990 EQ'91.1
3 Mother's Help
子守り
1991 HMM'93.8
4 Long Live the Queen
女王万歳
EQ'92.1
5 苦い黄昏 1987 光文社文庫「英米超短編ミステリー50選」('96)
EQ'88.7(64)
6 The Copper Peacock
銅の孔雀
(孔雀の栞)
1988 バベル・プレス「本の殺人事件簿─ミステリ傑作20選2」('01)
HMM'94.2
7 雑草 1989 光文社文庫「女を脅した男」
EQ'89.7(70)
8 The Fish-Sitter
フィッシュ・シッター
1990 EQ'90.11
5 Blood Lines 1996 - ウェクスフォード1編他
全11編
1 Lizzie's Lover
リジーの愛人
1995 EQ'96.9
2 Shreds and Slivers
かけらと切れ端
1994 EQ'99.7
3 Burning End
燃えさしは危険
1995 EQ'97.3
4 愛の神 1993 光文社文庫「女を脅した男」('98)
EQ'93.7(94)
5 留守宅管理人 1995 EQ'97.7(118)
6 大いなる遺産 1996 EQ'99.5(129)
7 Clothes
衣装
扶桑社ミステリー「夜汽車はバビロンへ」('00)
HMM'97.11
8 許容限界 1994 EQ'98.9(125)
9 In All Honesty
正直なところ…
1995 EQ'96.3
10 The Strawberry Tree 1990 -
6 Piranha to Scurfy 2000 -
1 Piranha to Scurfy -
2 Computer Seance -
3 Fair Exchange -
4 The Wink -
5 Catamount -
6 Walter's Leg
ウォルターの脚
HMM'04.12
7 The Professional -
8 The Beach Butler -
9 The Astronomical Scarf
星座スカーフ
1996 早川文庫「ウーマンズ・ケース/上」('98)
HMM'97.1
10 High Mysterious Union -
11 Myth -

【日本で独自編纂の短編集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 女を脅した男 1998 光文社文庫 英米短編ミステリー名人選集1 ウェクスフォードもの4編を含む全11編

【その他の邦訳中短編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 A Drop Too Much
落し穴にご用心
1975 早川文庫「ポートワインを一杯」('80)
HMM'77.3
2 運命の皮肉
(生まれついての犠牲者)
1977 早川文庫2-37「クイーンズ・コレクション2」('85)
早川文庫68-5「またあの夜明けがくる」('82)
光文社文庫「新世界傑作推理12選」('86)
HPB1499「現代イギリス・ミステリ傑作集2」
EQ'97.1
3 ショーリー司祭館の幽霊 1979 EQ'96.7(112)
4 賄賂と堕落 1992 創元推理文庫169-3「ディナーで殺人を/上」('98)
5 Volume Eight of the Encyclopedia Britannica
ブリタニカ第八巻
HMM'07.9

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