密使 タイトル

密使

原題

The Confidential Agent

発表年

1939

著者/訳者/解説

グレアム・グリーン/北村太郎、伊藤尚志/江戸川乱歩、堀田善衛

カバーデザイン

伊藤禎三

ページ数

239(巻末「グレアム・グリーン小伝」「『密使』について」)

あらすじ(解説文)

出版

早川書房
ハヤカワポケットミステリ173
『密使』は『逃亡者』『事件の核心』で余りにも有名な現代英国の文豪グリーンの”Entertainment”と銘うたれた作品の一つである。話は内乱により妻を失い、己も又民衆の味方として、その味方の勝敗を決する石炭を求めて渡英した密使Dを中心に繰り拡げられる。彼の行く所には必ず暴力があった。彼は敵からも味方からも追いつめられる。だが孤独で生きる場所もなく味方の中にさえ呼吸すべき空気を持たぬDのために、その僅かばかりの信頼に答えて死ぬ少女、そして幸福な一生を捨てて迄もやがては内乱と革命とに死ぬであろうDの無垢な心を感じて愛情を寄せる令嬢、それらを縫って起る暴力と恐怖と死とを描きながら、グリーンは現代の不安と孤独を執拗に追求する。『密使』は単なるすぐれたスパイ小説、スリラー小説であるばかりでなく、現代の生んだ極めて特色のある傑作と云えよう。

初版

1954年(170円)

重版

入手

amazon

ISBN

なし

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