[1] 最初に犯人の犯行場面が描写され、[2] それを探偵が暴いて追いつめてゆく形の小説。R・オースチン・フリーマンの「歌う白骨」で初めて用いられました。
そしてフランシス・アイルズの「殺意」、リチャード・ハルの「伯母殺人事件」、F・W・クロフツの「クロイドン発12時30分」が三大名作とされています。
しかし「伯母殺人事件」については、名作ですが[2]の要件を満たしていないため、今日ではあまり倒叙ものとは言われなくなっています。
現代では刑事コロンボ、国内では古畑任三郎もこの形をとっています。
直訳すると、「固くゆでた卵」の意味。すなわち半熟卵のようなベトベトした感情を捨てて、非情な行動で、事件を捜査し、犯人を追い詰めて行くスタイルの小説。
ダシール・ハメットをその始祖とし、レイモンド・チャンドラー、ロス・マクドナルドがこのジャンルを確立。この3人は御三家と呼ばれ後世の作家たちに多大な影響を与えています。
予期せぬ事件・事故に巻き込まれ、その危機から逃れる過程での緊迫感・恐怖感を味わう小説。いわばハラハラドキドキさせられる小説のこと。
本格その他のジャンルでもこの要素はあるでしょうが、その比重の度合いで区別すればいいのではないでしょうか。
代表的作家はコーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)
【参考】「海外ミステリベスト100」(ハヤカワミステリ文庫)
「世界の名探偵50人」(ワニ文庫)