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”悩める”本格ミステリ作家

JPN 法月綸太郎
(Norizuki Rintaro)

法月綸太郎の功績icon
「法月綸太郎の功績」
(2002年)
(講談社)
 ”新本格派”と呼ばれる作家たちの中でも、綾辻行人、有栖川有栖らとともにとりわけ代表的な一人に挙げられる日本の推理小説家。

 島根県の松江市に生まれ、地元の高校を卒業の後京都大学法学部に進学します。在学中は同じく将来ミステリー作家として活躍することになる綾辻行人氏や我孫子武丸氏と同じ京大推理小説研究会に所属していました。

 大学卒業の後は協和銀行で銀行員として勤務していましたが、1988年に長編「密閉教室」が江戸川乱歩賞の候補となったのをきっかけにして、本格推理の巨匠の島田荘司の推薦で作家デビューを果たします。

 アメリカ本格黄金時代の巨匠エラリー・クイーンの愛読者ということもあって自身の作風にもクイーンの強い影響が窺い知れ、第2長編となった「雪密室」からはクイーンの設定と同じように作者と同姓同名の名探偵法月綸太郎を主人公に協力者としてその父親の法月警視を起用。後にこれがシリーズ化され、以後の著者のほとんどの作品で法月親子の二人が活躍しています。

 2002年には短編「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞の短編部門を受賞するなどその実力は折り紙つきではあるものの、反面本格推理に対する煩悶・懐疑の念を作品に反映させたり、「密室」を構成することへの必然性に関する論文を発表するなど、”悩める作家”の異名を持つことでも有名ですが、2004年にはハードボイルドの巨匠ロス・マクドナルドの作品に通じる家庭崩壊の悲劇をプロットに展開し高い評価を得た長編「生首に聞いてみろ」で第5回本格ミステリ大賞を受賞するなど、寡作気味ではあるものの完成度の高い作品を世に送り出しています。

 その一方で「謎解きが終わったら」などの評論活動やアンソロジーの編纂など、作家活動だけでなく評論家・編集者としても活躍しています。
生首に聞いてみろicon
「生首に聞いてみろ」
(2004年)
(角川書店)

■作家ファイル■

本名 山田純也(やまだじゅんや)
出身地 島根県松江市
学歴 島根県立松江北高等学校を経て、京都大学法学部卒
在学中は京都大学推理小説研究会に所属
生没 1964年10月15日〜
作家としての経歴
1988 長編「密閉教室」で作家デビュー
1989 著者と同姓同名の探偵・法月 綸太郎が初登場する長編「雪密室」を発表
2002 短編「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞
2004 長編「生首に聞いてみろ」で第5回本格ミステリ大賞を受賞
シリーズ探偵 法月 綸太郎
葛城警部
代表作 「一の悲劇」「生首に聞いてみろ」
「都市伝説パズル」(短編)

■著作リスト■

1 法月綸太郎登場作品リスト

2 その他の作品

【長編】

No. 事件名 発表年 出版 備考
密閉教室 1988 講談社文庫(新装版)('08)
講談社BOX(ノーカット版)('07)
講談社(ノーカット版)('02)
講談社文庫('91)
講談社ノベルス
デビュー作
怪盗グリフィン、絶体絶命 2006 講談社ミステリーランド 児童書

【短編集】

No. 事件名 発表年 出版 備考
  パズル崩壊─WHODUNIT SURVIVAL 1992-95 1996 集英社文庫('99)
講談社ノベルス('98)
集英社
法月綸太郎1編他
全8編
  1 重ねて二つ 1992 立風書房「奇想の復活」('92) 葛城警部
2 懐中電灯 1994   葛城警部
3 黒のマリア 1995   葛城警部
4 トランスミッション      
5 シャドウ・プレイ      
6 ロス・マクドナルドは黄色い部屋の夢を見るか?      
7 カット・アウト      

【その他の作品】

No. 事件名 発表年 出版 備考
トゥ・オブ・アス 1998 祥伝社ノン・ポシェット「不条理な殺人」  

【編書】

No. 事件名 発表年 出版 備考
法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー 2005 角川文庫  
物しか書けなかった物書き 2007 河出書房新社 河出ミステリ ロバート・トゥーイ著

【エッセイ・評論その他】

No. 事件名 発表年 出版 備考
謎解きが終わったら
 法月綸太郎ミステリー論集
1998 講談社文庫(増補版)('02)
講談社
評論集
名探偵はなぜ時代から逃れられないか
 法月綸太郎ミステリー塾 日本編
2007 講談社 評論集
複雑な殺人芸術
 法月綸太郎ミステリー塾 海外編
講談社 評論集

 


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