JPN 有栖川有栖
(Alice Arisugawa)

月光ゲーム Yの悲劇'88
「月光ゲーム Yの悲劇'88」
(1989年)
(東京創元社)

 大阪府出身の本格ミステリ作家。小学生の頃からシャーロック・ホームズや江戸川乱歩に熱中し、推理小説を書き始めたのは11歳の時だったといいます。そして13歳の時にエラリー・クイーンの「オランダ靴の謎」に感動し以後はエラリー・クイーンや国内本格ミステリの雄であった鮎川哲也の作品に傾倒していったといいます。

 同志社大学法学部に入学すると在学中は推理小説研究会に所属。自ら会誌「カメレオン」に創作を発表するなど、推理作家の夢を目指して精進を続けていました。

 そして大学卒業後も推理作家への夢を諦めずに書店勤務をしながら執筆活動を精力的に行っていましたが、ついに念願叶って1989年に鮎川哲也氏の推薦で東京創元社から長編「月光ゲーム」で長編デビューを果たします。

 その後「月光ゲーム」で活躍した名探偵江神二郎と、筆者と同じ名前のワトスン役・有栖川有栖のコンビが活躍する長編を2作品発表しますが、3作目の1992年発表の「双頭の悪魔」は普段から敬愛していると公言して止まないエラリー・クイーンばりに〈読者への挑戦状〉を配し、ロジックを主体とした重厚な本格ミステリで多くの評論家からも絶賛されました。

46番目の密室icon
「46番目の密室」
(1992年)
(講談社)

 同じ1992年にはもう一人の名探偵火村英生と、ワトスン役の推理作家・有栖川有栖の活躍するシリーズもスタートし、第1作の「46番目の密室」を皮切りに、エラリー・クイーンを髣髴とさせる「ロシア紅茶の謎」などの〈国名シリーズ〉などでも二人は大活躍を見せます。現在ではこのシリーズが最も多く作品が発表されている人気シリーズとなりました。

 他にもノン・シリーズの作品や評論・研究書・エッセイなども手がけ、また作家としての活動以外にも2000年に本格ミステリ作家クラブの創設に携わり会長にも就任するなど、多方面に渡って幅広い活躍を見せてくれています。


■作家ファイル■

出身地
大阪府大阪市
学歴
同志社大学法学部卒
生没
1959年4月26日〜
作家としての経歴
1989
「月光ゲーム」で作家デビューし、書店勤務を続けながら作品を発表し続ける
1992
江神もの第3作「双頭の悪魔」を発表。同年火村英生シリーズ第1作である長編「46番目の密室」を発表
1994
書店勤務を辞めて作家専業となる。同年火村ものの短編集「ロシア紅茶の謎」を刊行し、〈国名シリーズ〉がスタート
2000
本格ミステリ作家クラブが創設され、会長に就任
2003
火村ものの長編「マレー鉄道の謎」で第56回日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門を受賞
シリーズ探偵
江神 二郎
臨床犯罪学者・火村 英生
かつて名探偵として名を馳せた両親を持つ高校生の少女・空閑純
代表作
「月光ゲーム」「双頭の悪魔」
「ロシア紅茶の謎」(短編集)

■関連リンク■

1 朝日放送(ABC) 安楽椅子探偵

2 有栖川有栖 創作塾


■著作リスト■

1 江神二郎登場作品リスト

2 火村英生登場作品リスト

3 空閑純登場作品リスト

【長編】

No. 事件名 発表年 出版 備考
1 闇の喇叭(らっぱ) 2010 講談社('11)
理論社 ミステリーYA!
2 真夜中の探偵 2011 講談社

4 その他の作品

【長編】

No. 事件名 発表年 出版 備考
1 マジックミラー 1990 講談社文庫(新装版)('08)
講談社文庫('93)
講談社ノベルス('90)
2 幻想運河 1996 講談社文庫('01)
講談社ノベルス('99)
実業之日本社('96)
3 幽霊刑事(デカ) 2000 講談社文庫('03)
講談社ノベルス('02)
講談社('00)
4 まほろ市の殺人 冬
―蜃気楼に手を振る
2002 祥伝社 ノン・ノベル「まほろ市の殺人」('09)
祥伝社文庫
我孫子武丸、倉知淳、麻耶雄嵩と共著
文庫版は担当部分「冬─蜃気楼に手を振る」のみ
5 虹果て村の秘密 2003 講談社

【短編集】

No. 事件名 発表年 出版 備考
1 山伏地蔵坊の放浪 1996 創元推理文庫414-4
東京創元社 創元クライム・クラブ('96)
1 ローカル線とシンデレラ 1990 岩崎書店 現代ミステリー短編集3「動物園の暗号」('06)
角川文庫「現場不在証明(アリバイ)」('95)
2 仮装パーティーの館
3 崖の教祖 1991
4 毒の晩餐会
5 死ぬ時はひとり 1992 青樹社文庫「密室の奇術師」('95)
6 割れたガラス窓 1993
7 天馬博士の昇天
2 ジュリエットの悲鳴 1998 角川文庫('01)
実業之日本社 ジョイ・ノベルス('00)
実業之日本社('98)
1 落とし穴 1993 岩崎書店 現代ミステリー短編集3「動物園の暗号」('06)
2 裏切る眼 1994
3 Intermission1:遠い出張 1997
4 危険な席
5 パテオ
6 Intermission2:多々良探偵の失策
7 登竜門が多すぎる 1990
8 Intermission3:世紀のアリバイ 1996
9 タイタンの恋人 1992
10 Intermission4:幸運の女神 1997
11 夜汽車は走る 1995 光文社文庫「悲劇の臨時列車」('98)
12 ジュリエットの悲鳴 1998
3 作家小説 2001 幻冬舎文庫('04)
幻冬舎ノベルス('03)
幻冬舎('01)
1 書く機械
2 殺しにくるもの
3 締切二日前
4 奇骨先生
5 サイン会の憂鬱
6 作家漫才
7 書かないでくれます?
8 夢物語
4 作家の犯行現場 2002 新潮文庫('05)
メディアファクトリー ダ・ヴィンチブックス
23編
紀行エッセイ集
1 セピアの島の幻想
2 マジック・ブリッジ
3 即身仏の沈黙
4 横溝正史への旅
5 幻影城のある街
6 断崖の終章
7 沈める村
8 水底の摩天楼
9 神と星の祭り
10 ロスト・イン・ザ・ミスト
11 観念の肖像
12 灯台へ
13 白い塔の記憶
14 巨星のふるさと
15 オホーツクの罠
16 トリックがいっぱい
17 騙し絵奇談
18 桜の樹の満開の下には
19 迷いの森
20 建築探偵入門
21 恐怖の病棟
22 砂丘のシュルレアリスム
5 壁抜け男の謎 2008 角川文庫('11)
角川書店
1 ガラスの檻の殺人 徳間文庫「気分は名探偵―犯人当てアンソロジー」('08)
徳間書店「気分は名探偵:犯人当てアンソロジー」('06)
2 壁抜け男の謎
3 下り「あさかぜ」
4 キンダイチ先生の推理
5 彼方にて
6 ミタテサツジン
7 天国と地獄
8 ざっくらばん
9 屈辱のかたち
10 猛虎館の惨劇 2003 東京創元社「新本格猛虎会の冒険」
11 Oの妄想
12 迷宮書房
13 怪物画趣味
14 ジージーとの日々
15 震度四の秘密 2005 メディアファクトリー文庫「秘密。」
16 恋人 2002 講談社文庫「エロティシズム12幻想」
6 赤い月、廃駅の上に 2008 メディアファクトリー 幽ブックス
1 夢の国行き列車
2 密林の奥へ
3 テツの百物語
4 貴婦人にハンカチを
5 黒い車掌
6 海原にて
7 シグナルの宵
8 最果ての鉄橋
9 赤い月、廃駅の上に
10 途中下車

【アンソロジー収録作品】

No. 事件名 発表年 出版 備考
1 両手に受話器 2004 新潮文庫「君へ。」
2 幻の娘 2008 新潮文庫「七つの死者の囁き」
3 清水坂 2009 メディアファクトリー MF文庫「怪談列島ニッポン─書き下ろし諸国奇談競作集」
4 かえれないふたり
 第1章 不安な旅立ち
2010 角川書店「ミステリ★オールスターズ 」 本格ミステリ作家クラブ編
本格ミステリ作家クラブ10周年記念特別企画リレーミステリ

【児童書】

No. 事件名 発表年 出版 備考
1 動物園の暗号 2006 岩崎書店 現代ミステリー短編集3 既収録作品を子供向けに編集したアンソロジー
1 やけた線路の上の死体 1986 光文社文庫「無人踏切」 江神二郎
2 ローカル線とシンデレラ 創元推理文庫414-4「山伏地蔵坊の放浪」
3 動物園の暗号 1993 講談社文庫「ロシア紅茶の謎」('97) 火村英生
4 落とし穴 角川文庫「ジュリエットの悲鳴」('01)

【編書】

No. 事件名 発表年 出版 備考
1 綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー1 2008 講談社 綾辻行人との共編著
2 綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー2 2009 講談社 綾辻行人との共編著

【エッセイ・評論その他】

No. 事件名 発表年 出版 備考
1 有栖の乱読 1998 リクルート(メディア・ファクトリー) ダ・ヴィンチブックス エッセイ
2 有栖川有栖の密室大図鑑 1999 新潮文庫('03)
現代書林
密室についての評論
画・磯田和一
3 有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー 2001 角川文庫 アンソロジー編纂
4 迷宮逍遥
―有栖のミステリ・ウォーク
(迷宮逍遥)
2002 角川文庫('05)
角川書店
ミステリ評論
5 赤い鳥は館に帰る 2003 講談社 エッセイ集
6 新本格謎夜会(ミステリー・ナイト) 講談社ノベルス 新本格誕生15周年記念の謎解きイベント&トークショーの再現
綾辻行人と共同監修
7 謎は解ける方が魅力的
─有栖川有栖エッセイ集
2006 講談社 映画、ミステリーカフェ、猛虎についてのエッセイ集
8 正しく時代に遅れるために
─有栖川有栖エッセイ集
講談社 エッセイ集
9 鏡の向こうに落ちてみよう
―有栖川有栖エッセイ集
2008 講談社 エッセイ集
10 大阪探偵団
―対談 有栖川有栖vs河内厚郎
沖積舎 対談集
11 有栖川有栖の鉄道ミステリー旅 山と溪谷社 写真・真島満秀
12 密室入門! メディアファクトリー新書036('11)
メディアファクトリー ナレッジエンタ読本
安井俊夫との共著
13 本格ミステリの王国 2009 講談社 デビュー20周年記念出版
短編「蒼ざめた星」「殺刃の家」初収録
14 ミステリ作家の自分でガイド 2010 原書房 本格ミステリ作家クラブ編
ガイド・オブ・ガイド座談会収録
15 実例・アイデアから作品へ 幻冬舎「ミステリーの書き方」 日本推理作家協会編著
作家43名の執筆作法
16 図説密室ミステリの迷宮
―事件現場図で読み解く!ミステリのプロが選んだ本当にすごい密室トリック
洋泉社MOOK 監修、対談
17 友人に貸した一万円を返してもらうための手紙 角川文庫「作家の手紙」('10)
18 大阪城は知っている 2011 追手門学院「上町学再発見・古都おおさか」 追手門学院上町学プロジェクト著
19 上町台地の魅力

【映像化作品】

No. 事件名 発表年 DVD 備考
1 綾辻行人・有栖川有栖からの挑戦状1
「安楽椅子探偵登場」
1999/10/1
1999/10/8
メディアファクトリー('01.4) 綾辻行人との原案合作
2 綾辻行人・有栖川有栖からの挑戦状2
「安楽椅子探偵、再び」
2000/5/12
2000/5/19
メディアファクトリー('01.4) 綾辻行人との原案合作
3 綾辻行人・有栖川有栖からの挑戦状3
「安楽椅子探偵の聖夜消えたテディ・ベアの謎」
2000/12/21
2000/12/28
メディアファクトリー('01.11) 綾辻行人との原案合作
4 綾辻行人・有栖川有栖からの挑戦状4
「安楽椅子探偵とUFOの夜」
2002/3/9
2002/3/16
メディアファクトリー('03.7) 綾辻行人との原案合作
5 綾辻行人・有栖川有栖からの挑戦状5
「安楽椅子探偵と笛吹家の一族」
2003/6/13
2003/6/20
メディアファクトリー('06.4) 綾辻行人との原案合作
6 綾辻行人・有栖川有栖からの挑戦状6
「安楽椅子探偵ON AIR」
2006/3/3
2006/3/10
メディアファクトリー('08.11) 綾辻行人との原案合作
7 綾辻行人・有栖川有栖からの挑戦状7
「安楽椅子探偵と忘却の岬」
2008/10/3
2008/10/10
綾辻行人との原案合作

【参考】「月光ゲーム」(東京創元社 創元推理文庫)
 

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