USA 小悪党 トム・リプリー
(Tom Ripley)

太陽がいっぱい
「太陽がいっぱい」
(1955年)
(河出書房新社)

 アメリカの女流推理小説家パトリシア・ハイスミスの生み出した、シリーズ・キャラクター。

 アメリカに住むどこにでもいそうな平凡な青年ですが、両親を事故で亡くすなどの不幸な生い立ちが彼の精神面に暗い影を落とし、平気で人を見殺しにするなど道徳観念の皆無な悪党へと変えていってしまいます。

 しかしその一方でどこか憎めない人懐こさを持っていて、作品が進むにつれて彼の存在に自然と惹き付けられて行く、そんな不思議な魅力を持ったキャラクターです。

 1960年ルネ・クレマン監督で映画化された「太陽がいっぱい」では名優アラン・ドロンがリプリー役を演じていて、当時大変な人気を得たといいます。また1999年にも「リプリー」の題名で2度目の映画化がなされています。


■原作■

パトリシア・ハイスミス
(Patricia Highsmith 米 1921-95)


■人物ファイル■

事件簿
5長編に登場

■事件ファイル■

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 太陽がいっぱい
(リプリー)
1955 河出文庫('93)
河出文庫 新装版('00)
角川文庫('71)
映画化「太陽がいっぱい」('60)
映画化「リプリー」('99)
2 贋作 1970 河出文庫('93)
角川文庫('73)
3 アメリカの友人 1974 河出文庫('92) 映画化('77)
4 リプリーをまねた少年 1980 河出文庫('96)
5 死者と踊るリプリー 1991 河出文庫('03)

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