明晰な頭脳と深い教養を持つ警察官探偵

UK ジョン・アプルビイ警部
(Inspector John Appleby)

ハムレット復讐せよ
「ハムレット復讐せよ」
(1937年)
(国書刊行会)

 イギリスの本格推理小説家マイクル・イネスの作品の大半に登場する警察官探偵。

 この点初めて事件を解決したのがわずか14歳の時だったそうで、美術館での中国翡翠盗難事件を見事に解決したといいます。

 名門の家に生まれ、警察学校を卒業後スコットランド・ヤードに入り、初登場時こそ30歳で階級は警部でしたが、それから警視、副総監兼犯罪捜査部部長、そして最後には何と警視総監にまで昇進していきました。まさにエリートとして順調に出世街道を歩んでいったといえるでしょう。

 もっともそのような肩書きに恥じない頭脳明晰・深い教養をもった人物で、日頃から常に物事を慎重に考え抜き、それを実践に移すという習慣が身についています。

 家族は妻のジュディスと息子のボビーがいて、息子のボビーは大学時代はラグビー選手として鳴らし、その後作家になりました。


■原作■

マイクル・イネス
(Micael Innes 英 1906-1994)


■人物ファイル■

職業
ロンドン警視庁警部→副総監→首都警察総監
専攻
地質学、美術、比較宗教学
協力者
夫人のジュディス・レイヴン
息子のボビイ

■事件ファイル■

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 学長の死 1937 東京創元社 世界推理小説全集70('59) イネスの処女作
2 ハムレット復讐せよ
(ハムレット復讐せよ!)
国書刊行会 世界探偵小説全集16('97)
HPB300
3 ある詩人への挽歌 1938 現代教養文庫 ミステリ・ボックス3039 乱歩の1935年以降の長編ベスト10・5位
4 ストップ・プレス 1939 国書刊行会 世界探偵小説全集38('05)
5 The Secret Vanguard 1940 -
6 霧と雪 原書房 ヴィンテージ・ミステリー・シリーズ('08)
7 アララテのアプルビイ 1941 河出書房新社 河出ミステリ('06)
8 The Daffodil Affair
(黄水仙事件)
1942 -
9 証拠は語る 1943 長崎出版 海外ミステリGemコレクション1('06)
10 アプルビイズ・エンド 1945 論創社 論創海外ミステリ27('05)
11 A Night of Errors 1947 -
12 Operation Pax
(オペレーション・パックス)
1951 -
13 A Private View
(招待展示内覧)
1952 - キャドーヴァー警部、ヒルデバート・ブロンコフとの共演
14 Appleby Plays Chicken 1957 -
15 The Long Farewell 1958 -
16 Hare Sitting Up 1959 -
17 Silence Obseved 1961 -
18 A Connoisseur's Case 1962 -
19 The Bloody Wood 1966 -
20 アリントン邸の怪事件 1968 長崎出版 海外ミステリGemコレクション5('07)
21 A Family Affair 1969 - ヒルデバート・ブロンコフとの共演
22 Death at the Chase
(狩猟場での死)
1970 -
23 An Awkward Lie
(見え透いた嘘)
1971 -
24 The Open House 1972 -
25 Appleby' Answer 1973 -
26 Appleby's Other Story
(アップルビイの別の話)
1974 -
27 The "Gay Phoenix" 1977 -
28 The Ampersand Papers 1978 -
29 Sheiks and Adders 1982 -
30 Appleby and Honeybath 1983 - チャールズ・ハニーバス教授との共演
31 Carson's Conspiracy 1984 -
32 Appleby and the Ospreys 1986 -

【短編集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Appleby Talking
(アプルビー語る)
1954 - クイーンの定員112
1 アプルビイ警部最初の事件 創元推理文庫104-24「ミニ・ミステリ傑作選」('75)
勉誠社「アップルビィ警部の事件簿」
2 ポーカー・フェイス 別冊宝石123('63)
3 The Spendlove Papers -
4 復讐の女神島 勉誠社「アップルビィ警部の事件簿」
5 Eye Witness -
6 The Bandertree Case -
7 The Key -
8 The Flight of Patroclus -
9 The Clock-Face Case -
10 Miss Geach -
11 ハンカチーフの悲劇 1947 創元推理文庫182-1「アプルビイの事件簿」 EQMM短編コンテスト第2位('47)
12 ベラリアスの洞窟
(ビレアリスの洞窟)
光文社文庫「クイーンの定員 IV」('92)
勉誠社「アップルビィ警部の事件簿」
13 A Nice Cup of Tea -
14 タイムの砂浜 勉誠社「アップルビィ警部の事件簿」
15 The X Plan -
16 Lesson in Anatomy
解剖学教程
1946 EQMM'56.10 EQMM短編コンテスト第3位('46)
17 Imperious Coesar -
18 The Clancarron Ball -
19 A Dog's Life
-A Dagged Pedestrian-
-
20 ダービー出走馬の消失 早川文庫149-1「敗者ばかりの日」('88)
HMM'87.5
21 ウィリアム征服王 勉誠社「アップルビィ警部の事件簿」
22 死者の靴 創元推理文庫182-1「アプルビイの事件簿」
23 獅子と一角獣 勉誠社「アップルビィ警部の事件簿」
2 Appleby Talks Again 1956 -
1 家霊の所業
(悪鬼の所業)
1954 創元推理文庫182-1「アプルビイの事件簿」
2 本物のモートン 創元推理文庫182-1「アプルビイの事件簿」
3 Dangerfield's Diary -
4 The Gost of a Ghost
影の影
EQMM'56.12
5 False Colours -
6 テープの謎 創元推理文庫182-1「アプルビイの事件簿」
7 The Exile (Ogne'54) -
8 Enigma Jones -
9 ヘリテージ卿の肖像画 創元推理文庫182-1「アプルビイの事件簿」
10 Murder on the 7:16
七時十六分発の殺人
HMM'06.6
11 A Very Oddly Case Indeed
とても変わったケース
HMM'96.12
12 Four Seasons
四季
1956 HMM'85.1
13 Here Is the News -
14 The Reprisal -
15 Bear's Box -
16 Tom, Dick and Harry
トムとディックとハリー
HMM'03.6
17 ロンバート卿の蔵書 創元推理文庫182-1「アプルビイの事件簿」
18 創元推理文庫182-1「アプルビイの事件簿」
3 The Appleby File 1975 -
The Appleby File    
1 終わりの終わり 創元推理文庫182-1「アプルビイの事件簿」
2 Poltergeist -
3 The Fisherman -
4 The Conversation Piece -
5 Death by Water -
6 A Question of Confidence
信頼の問題
HMM'81.10
7 The Memorial Service 1973 -
Appleby's Holidays     
8 Two on a Tower -
9 Beggar with Skull -
10 The Exploding Battleship -
11 The Body in the Clen -
12 Death in The Sun
日光浴と死と
HMM'66.7
13 Cold Blood -
14 The Coy Mistress -
15 The Thirteenth Priest Hole -

【日本で独自編纂の短編集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 アプルビイの事件簿 1978 創元推理文庫182-1 全9編
2 アップルビィ警部の事件簿 1996 勉誠社 推理探偵文学館1 全6編

【未収録短編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 エメラルド 1955 早川書房「復刻エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン No.1-3」('95)
EQMM'56.7
2 The Magic Painting
魔法の絵
1957 EQMM'58.2
3 News Out of Persia
ペルシアからのニュース
1958 HMM'95.3
4 The Body in the Glen 1959 -
5 Policeman's Holiday -

【参考】「ハムレット復讐せよ」(国書刊行会 世界探偵小説全集)
「アップルビィ警部の事件簿」(勉誠社)
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