出版 |
久保書店
Q-Tブックス |
「チャンネル・オープン」
イリヤはあえいだ。
「聞こえるか、ナポレオン……聞こえるか……計画は失敗した……バルトリッチは、ぼくがにせ者だと見破った。そして、ぼくはセルニックとして軍隊に渡された……」
四方から、兵士たちがイリヤにとびついた。背中を銃でどやしつけ、手をねじり上げようとした。それでもイリヤは床にうずくまり、壁に顔をくっつけるようにして、ソロにできるだけたくさんの情報を送ろうと必死になっていた。
「……これから西ドイツの護衛隊が……ぼくを東ドイツに……プラハへ帰す……」
しかし、兵士たちの重みに耐えきれなくなった。ついに無線機は、イリヤの手からもぎとられ、床に叩きつけられてから、重い軍靴で踏みつぶされてしまった。 数分後イリヤはトラックに乗せられた。 |