出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
1142 |
葬儀屋に勤める敬虔なクリスチャンで、真面目な黒人のジャクソン。彼はイマベルに夢中だった。ふっくりした唇、セクシーな体、バナナ色の皮膚、気をそそる茶色の目、上づきの丸く動くヒップ、イマベルは生まれながらの妖婦タイプの女だ。
そのイマベルとジャクソン、それにハンクという男とその助手とが、アパートの台所のまわりに立っていた。これからジャクソンの虎の子の1500ドルをハンクが10倍にしてやろうというのだ。ハンクの動作を見つめるジャクソンの体が、緊張のために震え出した。ハンクは一枚一枚の札を慎重に化学紙に巻き、それをボール紙の筒に入れ、それからガス・レンジに入れた。オヴンの戸を閉め、ガスの火をつける。一分後、オヴンは物凄い音をたてて爆発した……。
ジャクソンはまんまと欺された。一文無しの上に、警官に見逃してもらうために雇主の金に手をつけ、今や犯罪者だった。爆発とともに姿を消したイマベルを求めてハーレムを彷徨うジャクソン。そして一方、事件はイマベルとともに消えた金鉱石の入ったトランクをめぐって、ハーレムの”黒い三人の後家”と呼ばれる三悪人対南部から来た詐欺師団の激闘へと発展し、さらにハーレムの黒人刑事、墓掘り・棺桶コンビが加わるに及んで凄まじい様相を呈していった! |