出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
635 |
私立探偵マイケル・シェーンは、思わず息を飲んだ。サラ・モートンはベッドの脚もとに倒れていたのだ。ぱっくり開いた喉の傷口から吹きこぼれる血が、純白の絨氈を真赤に染めている。苦悶のあとも生々しいその手には、半分にちぎられた500ドル紙幣が、しっかと握られていた。シェーンの到着がひと足遅かったのだ。殺されたサラ・モートンは、常に暗黒街の内幕を暴露してきた、勇敢な女流記者だった。
サラは暗黒街の組織を探っていくうちに、大きな特種を掴んだのだ。が、その時すでに、彼女の生命は危険にさらされていた。このことを察知したサラは、マイケル・シェーンの事務所に救いを求めるとともに、500ドル札をちぎって、その半分を彼に残していったのだった。その日、久しぶりの休日を楽しんで八時過ぎに事務所に帰ったシェーンは、すぐさま、デイリイ・ニューズの記者、ティム・クラークとともに、サラのいるホテルに車を飛ばしたのだが……
犯人の不敵な挑戦に敢然と立つマイアミの探偵、マイケル・シェーン! テレビで圧倒的人気を呼ぶハードボイルド・ミステリの快打! |