出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
1112 |
かたわらに東洋系の美女をはべらせた政界の情報通タイスンは、やに下った笑みを浮べ、ベッドの前方に映写されているブルー・フィルムに見入っていた。バウマン団のことが頭をかすめ、ちょっと嫌な気持になったが、それも厳重な警戒を思い返してふき払い、いよいよ熱中して体を前に乗り出したとき、ベッドの女が少し動いたような気がした。次の瞬間、何かが彼の視線をさえぎり、スクリーンがかすんだ。何か半透明のものが顔を被っている。あわてて払いのけようとしたが、手が効かない。と、心臓が止った。
4人目の犠牲者だった。今まで上院議員、閣僚、金融界の顔役が同じやり方で殺された。3人目の被害者が出るにおよんで、相次ぐ”自然死”に不信を抱いたAXE機関は、機関の誇るスパイ、ニック・カーターを石油会社のプレイボーイ重役に仕上て、殺された男達が出入りしていたワシントンの社交界に囮として送りこむことにした。タイスンの死は、おりしもそのニックが、パーティに日参し、持前のセックスアピールで社交界を彩る謎の日系美人に接近しようとした矢先のことだった! 政界経済界の大物を恐怖のどん底にたたきこむバウマン団、その戦慄の掟「死の頭巾」とは? 性技を極めた6人の東洋の美女スパイを相手に死闘を演ずるキルマスター! 痛快無比ニック・カーター・シリーズ第6弾! |