出版 |
サンリオ
サンリオSF文庫26-B |
「王女(プリンセス)ルイーズが初めて、いたずら(ジョーク)を実際に目撃したのは、夏休みの最後の日の朝、バッキンガム宮殿の朝食の間でのことだった」
王(キング)がヨークハムがのっているはずの受皿の蓋をとると震える牛糞のようながま蛙がのっていた。はじめは他愛ないいたずらでしかなかった。だが、ハンガーのズボンの片足がすべて切り落としてあったり、宮殿にグランドピアノが八、九台も届けられたり、王女の寝巻きが二つに引き裂かれ、いずれも真紅の×印がつけられているに及んで凶悪さが目につきはじめた。このいたずら者(ジョーカー)、脅迫じみた道化師、やがて殺人にまで発展するフォールスタッフとは誰なのか? 宮中警備隊とロンドン特捜部の必死の捜査をかいくぐって凶暴さと陰険さを増していくいたずら者の目的は、ただ王家の私生活を混乱させるだけなのか、あるいは王家の誰かを直接狙ったものなのか? 巧緻極まりない設定と華麗な文体で恐怖を盛り上げていくディキンスンの異色作。 |