リュパン対ホームズ タイトル

リュパン対ホームズ

原題

Arsène Lupin Contre Herlock Sholmès

発表年

1908

著者/訳者/解説

モールス・ルブラン/石川湧/中島河太郎

カバーデザイン

山野辺進

ページ数

284
作品レビュー

あらすじ(解説文)

出版

東京創元社
創元推理文庫107-2
百万フラン当選の宝くじの紛失とフランス王冠にまつわる伝奇的な青ダイヤの盗難に始まる一連の怪事件は、名探偵シャーロック・ホームズが登場するに及んで、ついにリュパン対ホームズの一騎打、フランス対イギリスの決戦の様相を呈するにいたった。 自らを国民的英雄ナポレオン皇帝になぞらえ、トラファルガーの復讐戦を自負するリュパンは、ホームズを向こうにまわして痛快無類、手に汗握る活躍を開始する。 第一話「金髪の婦人」第二話「ユダヤのランプ」収録。

初版

1965年

重版

1995年49版(480円)

入手

セブンアンドワイicon amazon

ISBN

4-488-10702-8

1 金髪の婦人 (La Dame Bronde)

2 ユダヤのランプ (La Lumpe Juive)


【感想】★

 サスペンス感溢れる本作品は、短編集「怪盗紳士」に続く単行本としては第2冊目ということになります。「怪盗紳士」の最終短編「遅かりしシャーロック・ホームズ」でちらっと登場するシャーロック・ホームズが、本作品では2つの中編にともに登場してルパンと対決します。

 内容云々よりもこのホームズを出して対決させていることにちょっと違和感を覚えました。やはりどちらも強烈な個性を持ち、敗北は決して許されないようなキャラクターですから、物語構成に自然と無理が出てくるというか、「船頭多くして・・・」の諺どおりになってしまっていますね。

 私はどちらのキャラクターも好きな方ですので、ホームズが負ければ腹が立ちますし、ルパンがやり込められれば首を傾げますし、非常に複雑な思いでずっと読み続けていました。
 また二人の力関係にしても、戦国武将の武田信玄と上杉謙信のようにいけばいいのですが、どうしてもルブランが書いているだけにルパン寄りであることは否定できません。それがこの作品の全てですね。ドイル側が抗議したくなるのも分かるような気がしました。

 ルブランはホームズを出さなくても充分面白い作品が書けると思いますし、他の作品をもっと読んでみたいという印象でした。本作品はどちらかというと、”ホームズにあまり関心がない方のみ”にお勧めできる作品といえるかもしれません。