出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
1017 |
鉤十字をつけ、ナチスの軍服を着込んだその男は、いきなり左頬を、手の甲でいやというほど叩きつけた。更に床に転がったハニーの上にまたがり、おなかに腰をかけ、屈みこんでサーターのボタンを外しはじめた。しつこく指を食い込ませ、ハニーの両乳房の間へ深く突っ込んできた。二つの大きな乳房が勢いよくはみだし、上を向いて曲線を描いた。
男は満足そうにうなった。男はサディスティックな笑を浮かべると、今度は火のついたマッチ棒をむき出しの乳房に近づけてきた。このままではせっかくの大事な体が、めちゃくちゃにされてしまうと思ったハニーは必死になってあがいた。どうにかしてこの苦境から脱しようと、懸命になってもがいたのだ……。
ハニーがこんな目に遭ったのも、そもそも彼女の持ち前の好奇心のためだった。友人から手紙をもらって、フロリダ海岸の近くにある町にやってきたハニーは、この世のものとも思えない実に異様なものを見た。何と、ナチスの軍服に身を包んだ軍人たちが、町中を堂々と闊歩していたのだ。かくしてハニーは興味をそそられ、彼らの本拠地にまで尾行していったのだが、とんだ返り討ちを受けてしまったのである……。 不気味なナチス・グループに、ハニー、果敢に挑戦! |