出版 |
東京創元社
創元推理文庫133-15 |
公民権デモのまっただ中に単身飛び込んだのは、かつて世界一の名カメラマンといわれたヴァル・ケイドだった。だが今の彼は、カメラよりもウィスキーのグラスを手離せない酔いどれになり下がっていた。それというのもすべては十四ヵ月前、アカプルコへやって来たときに始まった。ひざまで届く見事な黒髪、黒く光るつぶらな瞳、官能的な唇、そして男が想像しうるもっとも完璧な肉感あふれるからだ─それが彼を破滅させる十七歳のメキシコ娘ホアーナだった。彼女との激しく、そして悪夢のような生活の果てに待っていたものは……。悪女描写に絶品の冴えをみせるチェイスの新作。 |