出版 |
新潮社 |
ダフネ・デュ・モオリアは、フランス貴族の血統をうけついだ、イギリス現代の人気作家である。「メアリ・アン」の中で扱われている時代は大体一七八四・五年から一八一四年頃までが主な部分だが、それはジョージ三世の在位六十年間の、ほぼ後半にあたり、歴史的に云ってもイギリスは、国の内外ともに騒然とした情勢におかれている時である。著者は常にこの時代の貴族とか大地主の生活をとりあげ、そこにある地霊というか家霊というか、そんな神秘感につつんで、人間のはげしい情感や愛欲を印象的に描いている。(「その復讐」の解説文に続く) |