出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
915 |
デル・ベニックは、生ぬるいビールを喉へ流し込みながら、堤防を歩いている若い男女に目をやった。きりっとした小柄な体に、とがった乳房─一緒にいる若者は、その女を扱いかねているらしい。堤の下には、年配の男に寄り添う大柄な若い女が見えた。赤褐色の髪、熟れきった体─監獄じゃ拝めないような上玉だ……
場所は、熱気にあえぐメキシコ国境の町。デルは人を殺して逃亡中だった。アメリカ大使館主催のパーティに潜り込んだデルは、有名な闘牛士ラーラと近づきになり、その夜、彼の女と関係を持った。それを知ったラーラは怒り狂い、デルを水中銃で殺そうとした。が、モリは女の胸に刺さり、デルはラーラを倒してその頭を床に叩きつけた! デルは国境目指してひたすら逃げたが、フェリーの航行不能で足止めを食っていたのだ。もう捜索の手は伸びているだろうが、メキシコの監獄などまっぴらだ!
やがて、目を付けた二組の男女とふとしたことから知り合いになったデルは妙案を思い付いた。彼らの中に紛れて、国境を越えられれば……だが、彼ら”呪われた者たち”の行く手には恐ろしい運命が待ち受けていた!
”現代のロビンフット”トラヴィス・マッギーの生みの親である無類のストーリーテラーが、強烈なエロティシズムとサディズムを織り込んで描く異色傑作! |