ナンセンス・ユーモアの巨匠

フランスのユーモア作家。 少年時代は南フランスのピレネー地方のポーで過ごし、最初は闘牛士を、それから詩人を志しますが挫折し、1903年になると今度は俳優を志してパリへ上京、国立技芸院(コンセルヴァトワール)に入学しますが、訛りがひどかったためになかなか上手くいかずこれも断念します。
その後は芝居は続けながら、余暇に退屈しのぎもかねて空想的な短編を書いたりしていましたが、ある日ふと思いついた一編を〈ジュールナール〉紙に投稿したところ、これが見事3ヶ月後に掲載される幸運に恵まれます。
以後はコント作家として大衆文壇に登場し、具体的な作品リストは不明ですが、初期は主にナンセンスなユーモアたっぷりの短編を、後期には社会諷刺の色合いが濃い長編を数多く執筆しています。
ちなみに世界的に有名な喜劇俳優チャーリー・チャップリンも彼の作品を愛読していたらしく、彼が1921年にフランスを訪れた時、二人は旧来の親友のように親しく抱き合って初めての対面を喜び合ったといいます。
彼の一番の代表作は、シャーロック・ホームズのパロディを集めた短編集「ルーフォック・オルメスの冒険(名探偵オルメス)」で、彼独特のナンセンスなユーモアをたっぷり織り交ぜたコント仕立ての探偵小説が戦前の日本でも人気を博し、雑誌〈新青年〉に多くの短編が邦訳されています。
他にも長編では「エッフェル塔の潜水夫」が邦訳されていて、こちらも奇抜な着想とユーモア溢れる魅力たっぷりの登場人物たちのやりとりが読者を大いに楽しませてくれます。

かなり多数ある模様
| No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
| 1 | エッフェル塔の潜水夫 | 1929 | ちくま文庫('90) 講談社文庫('76) 筑摩書房 世界ユーモア文学選('69) 筑摩書房 世界ユーモア全集10('61) 小山書店 世界大衆小説全集6('55) |
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| 2 | 世界珍探検 | 日本公論社('33) 新青年'30.1-6 |
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| 3 | 最後の珍判 | 新青年'35.6-9 |
こちらも多数ある模様
| No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
| 1 | ルーフォック・オルメスの冒険 (人生サーカス) |
1936 | 出帆社('76) 白水社('36) |
オルメスもの14編を含む全32編、日本独自の短編集 | |
| プシット、プシュットの人生サーカス | |||||
| 1 | 新案薩摩守 | ||||
| 2 | 安い昼食 | ||||
| 3 | 珍奇な馬車 | ||||
| 4 | 恐慌時代 | ||||
| 5 | のんきな兎 | ||||
| 6 | 爆弾チーズ | ||||
| 7 | 成層圏探検 | ||||
| モダン錬金術 | |||||
| 1 | 蹴球珍試合 | ||||
| 2 | 優しき殺人犯 | ||||
| 3 | 復活祭は楽し | ||||
| 4 | 最後の審判 | ||||
| 5 | ディオゲネスの娘 | ||||
| 6 | モダン錬金術 | ||||
| 不景気解消! | |||||
| 1 | 最後のフランス人 | ||||
| 2 | ビング・ゴング | ||||
| 3 | マラソン | ||||
| 4 | 不景気解消! | ||||
| 5 | リキキ一家の日曜日 | ||||
| No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
| 1 | てごめあだうちきだん | 日本出版協同「ふらんす粋艶集」('53) | ||
| 2 | 青樓千夜一夜 | 日本出版協同「第二ふらんす粋艶集」('53) | ? | |
| 3 | ロビンソン・クルーソーの恋 | 日本出版協同「第二ふらんす粋艶集」('53) 新青年'29.4増大 |
? | |
| 4 | しっかり者の女房 | 白水uブックス「笑いの錬金術 フランス・ユーモア文学傑作選」 | ||
| 5 | なんせんす行脚 | 新青年'28.4増大 | 原題不明 | |
| 6 | 同行二人 | 新青年'28.6臨時特大 | ||
| 7 | 夢遊病強盗団 | 新青年'28.8 | ||
| 8 | 危険信号 | 新青年'29.7 | ||
| 9 | 珍妙漂流記 | |||
| 10 | はらきりジャポンの夢 | 新青年'29.9 | ||
| 11 | バラバラ事件 | 新青年'33.3 | ||
| 12 | 性懲りのない男 | 新青年'35春季増刊 | ||
| 13 | アデュウ・アメリカ! | 新青年'28夏季増刊 |
【参考】「エッフェル塔の潜水夫」(筑摩書房 ちくま文庫)
「名探偵オルメス」(芸術社 推理選書)