出版 |
尖端社 |
本書はエドガー・ウォレスの”Daffodil Mystery”を翻訳したものである。ウォレスは人も知る現イギリス大衆文壇の大御所、その老ゆるなき雄渾なる筆力を以て強く、大衆読者層の心を掴んで放さない。この「黄水仙事件」は彼が傑作中の傑作、事件は事件を生んで、層々として巨大なる構成を盛り上げてゆく手際には何人も驚嘆せずには居られないだろう。然かも無数の容疑者を操って、最後の一頁まで真犯人を窺知せしめぬあたり、本格物中の本格物として推薦する価値十分である。
なお、此訳は昨年六月以降雑誌「犯罪科学」誌上に連載したもので、事件のテンポを早める必要上、かなりの自由訳になって居ることを付言して置く。 |