出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
1550 |
小道具部屋は惨憺たる有様だった。棚が落ち、そこらじゅうに小道具が散らばっているのだ。と、その時、妙なものが目に飛びこんできた。人間の手だ。急いでがらくたをどけてみると、下からは新進女優シッピーの死体が……。
ずっこけ警官役のパリスが死体を発見するまえから、名探偵ブレイドを主人公とするテレビ・ドラマの撮影は暗礁にのりあげていた。一番の原因は、名探偵の娘役のシッピーだった。主役のテレビ・スターは、こんな大根女優が相手では嫌だとへそを曲げるし、原作者の老女流作家とその妹は、シッピーが原作のイメージとちがうと文句をいうして、彼女の死は番組にとっては天の恵みのようなものだった。だが、誰にとってもこんなに都合のいい事故などありうるだろうか? 撮影が順調に進みだしたのを尻目に、パリスはグラス片手に犯人探しにのりだすが……!
テレビ界の内幕を才気溢れる筆致で描くユーモア本格。 |