出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
545 |
死体置場に横たわった黒髪の若い女の二の腕には、奇妙なイレズミがしてあった。S字のまん中に立棒が一本、その棒が、波型にくねった不気味な蛇のかたちをしているのだ! これで、今週二つめの同じような死体だった。パイン・シティに派遣された警部アル・ウイーラーは、被害者の身もとを洗うべき動きはじめた。
女が身につけていた葬儀屋の名刺を手掛りにたぐってみると、女の素性はすぐに知れた。葬儀屋専属の美容師─納棺のとき死者に死化粧をしてやる美容師だったのだ。
すごい美人の元同僚の美容師は、男前のアルの手練にたちまち参った。殺された女には恋人がいたのだ。が……捕えた男は、ホシではなかった。それよりも、女が以前勤めていた美容院に何かイワクがありそうだ。アルは早速美容院へ出かけるが、そこにはやはり奇怪な事実が待っていた。殺された女の同僚が一人、二週間前から行方不明だというのだ。
手掛りはそこでプッツリ切れた。だが─止むなくホテルの酒場に入って、酒をあおりながら書いたいたずら書きのS文字が、その夜アルの部屋に、魔女のような美人を出現させようとは、さすがのアルも知らなかった!
スピレインの再来といわれる超モダーンハードボイルド作家の第二弾! |