
「怪盗ゴダールの冒険」
(1914)
(国書刊行会) |
アメリカの推理小説家フレデリック・I・アンダースンの生み出したシリーズ・クリミナルで、1913年に〈サタデー・イヴニング・ポスト〉誌に掲載された短編「百発百中のゴダール」で初登場し、その後発表した6編の中短編でも活躍。著者アンダースンが作家としての地位を確立することができた、記念すべきシリーズ・キャラクターです。
世界中の富が集まるニューヨークを舞台に奇想天外な方法で盗みを働きますが、その天才的かつ巧妙な手口から未だに警察に犯行を疑われたことさえなく、普段は入会金が5000万ドルもするという〈ペガサス・クラブ〉の会員になるなど、社交界では知られた存在として優雅な日常生活を送っています。
彼の犯罪の手口はコンピューターのような完璧で正確無比な頭脳を駆使した科学的かつ大胆なもので、かつ極めて合理的。そのため読者も思わずなる程と唸らずにはいられなくなります。
そしてそんな彼が盗みを働く目的というのは、金品目当てというよりはむしろ盗むまでの過程で味わえるスリルと冒険を楽しむためと言った方が正しく、だからこそ次々と魅力あふれる犯罪の手口を考え出せるのかもしれません。
ゴダール譚は初期の6短編が「怪盗ゴダールの冒険」という形で一冊の短編集にまとめられていて、更にその他に単行本未収録の中編が1編残されています。 |