出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
1336 |
ドーヴァー警部が退職を決意! マグレガー部長刑事は自分の耳を疑った。フレンチー・ボサムで起きた殺人事件の捜査に向かう列車の中で、ドーヴァーが意気揚々と転職を宣言したのである。─これからは実業界だ、いつまでも警官などやっていられるか。得意気に笑って、彼はポメライ化学会社の保安主任募集の申し込み用紙を見せびらかし、今度の事件を見事に解決すれば、就職は決まったようなものだという。マグレガーは期待に打ちふるえた。ドーヴァーとのくされ縁が切れるなら、たとえどんな危険のなかでも、よろこんで飛び込んでいく価値があるというものだ……。
高級住宅地の一画で発見された死体の主は、年のころ18か19のヒッピー風の女。どうみても、この土地柄には不似合いだった。前日にふらりと町に現われ、グローヴ街の場所を尋ねていったことが分かっているだけで、素性は一切分からなかった。
娘は、グローヴ街のどの家を訪ねたのか? 案の定、最初の張りきりぶりが消えてしまったドーヴァーをせき立てて、マグレガーはグローヴ街の一軒一軒の聞込みを始めた。やがて、娘が妊娠していた事実が明らかになると事件は意外な方向へと展開していく……。 久々のドーヴァー式推理法が冴えを発揮。現代ユーモア本格ミステリの最高峰、シリーズ第9弾。 |