フランス白粉の謎 タイトル

フランス白粉の謎

原題

The French Powder Mystery

発表年

1930

著者/訳者/解説

エラリー・クイーン/井上勇/中島河太郎

カバーデザイン

辰巳四郎

ページ数

453
作品レビュー

あらすじ(解説文)

出版

東京創元社
創元推理文庫104-6
クイーンの地位を確固不動のものにした第二作。 ニューヨーク五番街の大百貨店〈フレンチス〉のショーウィンドウから忽然と転がり出た婦人の死体をめぐり、背後に暗躍する麻薬ギャングと知能くらべを演じるエラリーの会心の名推理。 わずか数粒の〈白粉〉と、リップスティックの中から転がり出たヘロインの〈白い粉〉の謎の真相は? フェアプレイをモットーとして読者に挑戦する。

初版

1961年

重版

2000年60版(640円)

入手

セブンアンドワイicon amazon

ISBN

4-488-10406-1

【感想】★★★

 前作「ローマ帽子」では父クイーン警視の活躍が目立ちましたが、今回はエラリーが前面に出て活躍します。
しかし、前作に比べると少し出来は落ちるような気がします。

 まず良かった点ですが、
1 犯人あてについては論理的に導けると思います。その点では本格推理小説としては充分楽しめると思います。結末も意外性に富んでいます。
2 エラリーが挑戦状を前にきちんと推理を組み立てて聞かせてくれるので、読者はよく考えてから解決編に行くことができ、親切・丁寧な作りになっています。

 逆に違和感があった部分というと、
1 まず、死体がショーウィンドウから発見された理由というのが弱く、必然的とはいえない様な気がしました。私が犯人ならあんな危険なことは絶対しないと思うのですが…。他にいくらでも方法があるような気がしました。

2 また、決定的な証拠というのが提出されていないような気がしますが。さらに具体的な犯行場面の描写が最後までなく、結局犯人がどうやったかが分からずじまいでした。

3 また、〈読者への挑戦状〉の前にした推理を再び解決編でエラリーが長々とするのは、物語構成としてちょっとどうかなあと思いました。親切ではあるのですが…。 おそらくこれはこの作品独特の解決編におけるある文章構成(あまりにも有名な話ですが)を読む前から知っていたために、退屈感を覚えたのかもしれません。 これはよくミステリーの論評などで「フランス白粉」を語るとき当然のように触れられているのですが、トリックや犯人には関係はなくても、これを未読の方にバラすのは私はどうかと思います。