ハートの4 タイトル

ハートの4

原題

The Four of Hearts

発表年

1938

著者/訳者

エラリー・クイーン/青田勝

カバーデザイン

イラスト ひらいたかこ/デザイン 磯田和一

ページ数

408
作品レビュー

あらすじ(解説文)

出版

東京創元社
創元推理文庫104-19
誰でもハリウッドに来て六週間以上たつと、突然取り返しのつかないほど気が違ってしまう。脚本執筆のためこのセルロイドの都へ招かれたエラリーも例外ではなかったが、陽気な結婚騒ぎが冷酷きわまる二重殺人に転じるや、頭脳をフル回転させ始める。銀幕の女優、変わり者の脚本家、天才プロデューサーら、多彩な映画王国の面々がひしめくなか、エラリーが指摘した意外な犯人とは?

初版

1979年

重版

1997年14版(700円)

入手

amazon

ISBN

4-488-10419-3

【感想】★★

 今回はエラリーが単身ハリウッドにやって来てただ一人で頑張りますが、国名シリーズを読んだ後だとかなり物足りない印象が否めませんね。

 プロットはよく考えられていて狙いは分かるのですが、少し見え見えのような気もしました。また今回はやたらと男女のドロドロとした恋愛模様が描かれていて、初期の純粋推理にこだわった作品とは印象がまったく違うと思います。初期作品のような重厚な本格推理小説が楽しみたい方にとっては結構イライラする内容だと思います。
 私はどちらかというと人物描写などもきちん描かれている作品が好きですが、それでもこの作品の登場人物にはあまり共感が持てませんでした。やはり芸能人が登場人物の大半を占めていたからかもしれません。一般人には理解できない部分が多いです。

 犯人もちょっと意外性に欠けたというか、容疑者があまり個性がなかったような気がして、おそらく誰が犯人だったとしてもそれほど驚きが少なかったでしょうね。

 この後のライツヴィル・シリーズの出来の良さを考えると、クイーンにとっては転換期に書かれた作品で、いろいろ模索している段階だったのではないでしょうか。次に期待したいですね。