出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
718 |
むし暑い夏の夕暮れ……。不動産会社の社長エドワード・コプリイ・ブランドシャフトは、秘書ディーロレス・メイスンのアパートの前で車を停めた。いつになく興奮していた彼は、三ヵ月前に入社したばかりの、若くて魅力的なディーロレスとドライヴに出かけるところなのだ。ディーロレスはすでに旅行着をきて、彼を待っていた。が、好事魔多しとはこんなことをいうのだろうか─二人が抱き合って接吻しているとき、とつぜん別居しているディーロレスの夫のジョニイが部屋に入ってきたのだ。血気にはやるジョニイは二人にはげしくくってかかり……ブランドシャフトが、はっと我にかえったとき、手にディーロレスの拳銃をしっかと握り、床にはジョニイが、胸を真紅に染めて死んでいた! 事態の急変におどろいたディーロレスは、呆然自失しているブランドシャフトを尻目に警察に電話した。ほどなく現われた警官は、死体の処置はそのままに、二人をただちに警察署へ連行していった。と、死んだはずのジョニイが床からゆっくりと身を起した。そして、一瞬耳をすまし、電話をかけた─「うまくいったよ!」
ブロードウェイの演劇界を舞台に描く世にも奇妙な殺人劇! 『グレイ・フラノの屍衣』でアメリカ探偵作家クラブ最優秀処女長篇賞を得た鬼才スレッサーが、再び放つ異色の風俗探偵小説! |