UK 私立探偵ナイジェル・ストレンジウェイズ
(Nigel Strangeways)

野獣死すべし
「野獣死すべし」
(1938年)
(早川書房)

 英国本格黄金時代後期の代表的作家であるニコラス・ブレイクの生みだしたイギリスのアマチュア探偵。そのモデルはブレイクの学友の詩人W・H・オーデンとされています。

 副警視総監を叔父にもち、オックスフォード大学を論旨退学になったのち、方々を旅行して語学を学びますが、スコットランド・ヤードのブラント警部とは互いに信頼しあう仲であったことから、彼の要請を受けてしばしば事件捜査に協力するようになります。

 警察が法廷で通用する証拠の固執するのに対し、彼の捜査方法は独創的で、事件関係者の心理を綿密に分析して真相を見抜くという手法を得意としています。

 作品当初は探検家で妻のジョージアが彼を支えていましたが、第二次大戦中に空襲で亡くしてしまいます。その後は彫刻家クレア・マッシンジャーが新たに恋人として登場し、彼を支える役割を担います。


■原作■

ニコラス・ブレイク
(Nicholas Blake アイルランド 1904-72)


■人物ファイル■

好きなもの
お茶
協力者
妻で探検家のジョージア
スコットランドヤードのブラント警部
彫刻家のクレア・マシンシャー
事件簿
全16長編3短編に登場

■事件ファイル■

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 証拠の問題 1935 HPB696
現代文芸社 モダンミステリ('57)
別冊宝石53('56)
ブレイクの処女長編
現代文芸社版は別冊宝石の再録
2 死の殻
(クリスマス殺人事件)
1936 創元推理文庫233-2
別冊宝石73('58)
国土社 少年SF・ミステリー文庫('83)(ジュヴナイル)
3 ビール工場殺人事件 1937 別冊宝石102('60)
4 野獣死すべし 1938 早川文庫17-1
HPB115
早川書房 世界ミステリ全集8('73)
ハヤカワベスト100・51位
EQアンケート50位
乱歩の1935年以降の長編ベスト10・6位
5 The Smiler with the Knife
(ナイフを持って微笑む者)
1939 -
6 ワンダーランドの悪意 1940 論創社 論創海外ミステリ96('11)
7 雪だるまの殺人 1941 HPB628
8 殺しにいたるメモ 1947 原書房 ヴィンテージ・ミステリー・シリーズ('98)
9 旅人の首 1949 HPB610
10 呪われた穴 1953 HPB184
11 闇のささやき 1954 HPB581
12 章の終り 1957 早川文庫17-2
HPB353
13 メリー・ウィドウの航海 1959 早川文庫17-3
HPB558
14 死のとがめ 1961 HPB756
15 悪の断面 1964 早川文庫17-4
HPB889
16 The Morning After Death 1966 -

【短編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 暗殺者クラブ
(暗殺者)
1935 創元推理文庫169-4「ディナーで殺人を/下」('98)
HPB722「EQMMアンソロジー I」('62)
EQMM'57.1
2 Mr. Prendergast and the Orange
(Conscience Money)
舗道で拾ったオレンジ
(罪ほろぼしの金)
1938 HMM'80.4
EQMM'62.5
3 Long Shot
まぐれ当り
1944 EQMM'64.9

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