出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
654 |
事件は二年前、最愛の父を亡くし悲嘆に暮れたエリザベスが、ロバート・デイキンと結婚したときに始まっていた。莫大な遺産を持つ彼女と結婚するやロバートは豹変した。しばしば酒に酔い、理由のない怒りの発作を起こすのだ。理想とは程遠い結婚生活に失望したエリザベスは、かつての恋人ダイクに想いを馳せる─そんなエリザベスが夫に離婚を迫ったのは、ちょうど英国から来たダイクと、ロバートの秘書が滞在中のことだった。ロバートは彼女の懇願を一蹴し、さらに酔って激怒した挙げ句、妻を屋敷の一室に監禁してしまう。思い余ったエリザベスは、家を出る決心を固め、荷造りを始めるが、その刹那に夫の書斎から二発の銃声が響いた! 驚いて駆けつけると、書斎には血まみれのロバートの死体と、木彫りの三猿が……繊細な筆致で描く、サスペンスフルな傑作 |