【感想】★★★
ブランド女史の第2作でコックリル警部初登場のこの作品ですが、私はこの作品が女史の作品の中で最初に読んだ作品となりました。感想を簡潔に述べるとするならば、本格小説としてプロット・謎解き部分は充分合格点だと思いますし、楽しめるとは思いますが、ただ話の展開の仕方がもう少し違った方法はなかったのかなと少し残念な部分もありました。その辺りが少し評価にも影響しています。
犯人当ての伏線については完全にしてやられました(苦笑)。あんな所にあったのかと感心・脱帽せざるを得なかったです。解決編も聞いて成る程と納得できました。女史の得意技であるラストのどんでん返しもたくさんあって読み応えは充分あると思います。
ただ、不満足な点もいくつかありました。まず、とにかくラスト8割になってようやく物語が真相に向かって一気に盛り上っていくのですが、それまでが少し長するというか話として起伏がなく平坦すぎますね。
どんでん返しも最後の部分に一気に畳み掛けるようになされるのですが、これを中盤あたりからもっといろいろ読者がまさかこの人間が犯人なのでは…と考える余裕のあるくらいのテンポでしていたらもっと面白かったと思います。あまりにもラストに一気になされるので、一つ一つをよく理解して話を読み進めていくことができませんでした。私に読解力がないのかもしれませんが(苦笑)。どうもその8割に行くまでがあまりに平坦でハラハラする部分も少なく、実は何度も止まってしまいました。このあたりのバランスがもう少し上手く取られていたら評価も変わったでしょう。
またこの作品ではコックリル警部初登場ですが、正直人物像はあまり印象に残らなかったです。女史の代表作に挙げられる作品ではないのでまあこれくらいなのかなとは思います。コックリル警部の人間像も含めて次以降に控える代表作に期待したい所です。
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