出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
354 |
ジャブロンスキーとライアンは焦燥感に駈られた顔を見合わせた。ここに、兇悪な殺人を犯したとおぼしき容疑者がいる。彼の有罪は誰の目にも明白だ。だが、証拠がない! 二人は口惜しかった。いや、それ以上だった。ジャブロンスキーは停年まぎわの老練刑事。ここで最後にひと花咲かせたかった。ライアンはつい最近警察に入ったばかりの新参者だった。一日も早く手柄を立てたいと逸る気持でいっぱいだった。そのとき、ジャブロンスキーが、ライアンの耳もとに口を寄せて何事かを囁いた。ライアンの表情が変った。「だがそれは─証拠のでっちあげじゃないか!」
真実か、それとも名誉か。二人のとった処置は? ブリーン1956年の最新作。 |