出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
1011 |
名前はエレン・アデア。彼女は予約もせずにメイスンの事務所にやってくると、早急にメイスンに会いたいと申し出た。デラ・ストリートから伝え聞いた彼は次の会見までの時間を割いて会ってみることにした。エレンはいきなり、プライバシーの権利のことで相談したいと言い出した。話によると、20年ほど前、17歳の時美人コンテストに立候補し、見事1位の栄冠を得、華やかな脚光を浴びたことがあった。ハリウッドに招かれてテストを受けたり、化粧品のモデルになったりした。だが、はるか昔のことで、今はきれいさっぱりエレンの名前は忘れられていた。ところが最近になって地方の新聞が、どういうわけかはるか昔の美人コンテストの女王エレンのことを記事にしようと企てていることが分かった。それを知ったエレンは、ぜひともこれを阻止してほしいとメイスンに訴えたのである……。
エレン自身の事情はどうであれ、またプライバシーは微妙な法律問題だったが、メイスンはその依頼を引き受けることにした。が、さすが慧眼のメイスンも予測できなかった─単なるプライバシーの問題が、兇悪な殺人事件にまで発展しようとは! |