出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
464 |
サン・フランシスコのナイトクラブを辞めたオルガは、ヒッチハイクをしながら、ようやくベイカーズフィールドまでたどり着いた。ロス・アンゼルスの友人を頼ってゆく途中だった。もう金は一文もなく、泊ろうにも泊れない。途方に暮れかけているとき、来たのがその車だった。高速用に造られた大型車で、豪奢な最新型だった。乗っていたのは、贅沢な車にふさわしい立派な身なりの若い男で、ハンドルを持つ手にはダイアの指輪が光っていた。ロス・アンゼルスまで送るという。だが、男からはぷんと酒のにおいがして、オルガはふと危険だなと思った。予想は不幸にして適中した。時速80マイルで飛ぶように走る車のなかで、男はオルガに挑んできたのだ。そして四つの手がハンドルを奪いあううちに……前方から、対向車のヘッドライトが魔のように迫ってきた!
ヒッチハイクの女が起こした、ただの交通事故傷害事件だと思ったぺリイ・メイスンは、最初はさほど気にそそられることはなかったが……! |