出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
995 |
ある酒場で人殺しがあり、現場で喧嘩していた不良青年パコ・ボルスが、ミゲル・リューヒ主任刑事のもとに連行された。取調べをしながら、ミゲルはパコの話に心うたれた。パコはまだ完全に堕落していなかった。根っからの不良ではなかったパコは、ミゲル刑事を信頼しきって、洗いざらい真実を打ち明けた。彼は無実だった。かくして二人は、不思議な絆で結ばれていった。
やがてミゲルは、民間人を公務に巻き込んではならないと思いながらも、不良じみたパコに頼んで、彼をやくざの大親分イグナシオ・ビラールの巣窟であるキャバレーに侵入させた。平巡査だった父親をビラールに殺されたミゲルは、彼に復讐したい一心から警官の道を選んだようなものだったが、パコの助けを借りて、今ようやくビラールの悪事の証拠を握ることができるような気がした……が、キャバレーのボーイになって乗り込んだのも束の間、パコは、プツリと消息を絶ってしまったのだ。ミゲルはパコをむざむざ犬死させてしまった自分の愚行を呪った。……が、パコの失踪を嘆き悲しんだのは、ミゲルひとりではなかった。やがて、誰からか〈パコを憶えているか〉という脅迫状が流されるようになり、その後、奇怪な殺人事件が相次いで起き始めたのだ!
待望の本格ミステリ巨篇、ついに邦訳成る! |