出版 |
早川書房
ハヤカワミステリ文庫
31-1 |
交通事故で醜い傷を負い失明した電気会社のワンマン社長エルマンチエは、不安と疑心暗鬼の日々を送っていた。手紙すら書けない無力な彼に、上流出の美しい妻や部下達は果して信頼を寄せてくれるだろうか? 別荘に籠もった彼に対する妻や共同経営者の態度は今までと変りなく思える。しかし、盲目特有の感覚で彼は微妙な変化を感じとった。彼らの妙なよそよそしさ、匂うはずのない松の花粉の匂い、抽斗が左右逆になった戸棚。俄か盲目の焦りが生んだ錯覚か、それとも……迫りくる恐怖を盲人の感覚を通して描く、フランス・サスペンス小説の傑作! |