中国独自の公案小説と欧米ミステリの融合に成功
ロバート・ハンス・ファン・フーリック
(Robert Hans van Gulik)

「中国黄金殺人事件」
(1959年)
(三省堂) |
オランダの推理小説家。ロバート・ファン・ヒューリックとも表記。唐の時代の中国を舞台にした異色歴史ミステリー〈ディー判事〉シリーズの作者として有名です。
オランダ人外交官であり、日本をはじめアメリカ、レバノン、マレーシアなどの各地を転々とします。日本には1938年に書記官として、また1964年に大使として来日しており、その後亡くなるまで日本に滞在するなど、非常に馴染み深い関係にあります。
その一方で大学では中国文学の博士号を取得しており、もともと中国の文学・歴史を研究していました。
そしてその研究の過程で中国独自の探偵小説である《公案小説》と出会い、ほどなく歴史上の人物である唐代の名宰相であるディー・レンチェ(狄仁傑)(630〜700)を主人公とする作者不詳の公案小説を英訳しますが、これは自費出版されました。
その後この公案小説の魅力に取り付かれたフーリックは、公案小説の形式とディー判事というキャラクターを用いて自らミステリ作品を執筆し発表するようになったのです。 |
このディー判事シリーズは、中国独自の公案小説と欧米ミステリのプロットを上手く融合させることに成功しており、日本だけでなく英米独仏蘭中などの各国で翻訳され、幅広く読まれ親しまれているシリーズです。
また〈ディー判事〉シリーズ以外にも「馬頭明王諸説源流考」、「古代中国の性生活」、「秘戯図考」、「書画鑑賞彙編」などの学術書を発表しています。 |

「ディー判事
四季屏風殺人事件」
(1961年)
(中央公論社) |
|
■作家ファイル■
| 出身地 |
オランダ、ズットフェン |
| 学歴 |
オランダのライデン大学卒、ユトレヒト大学で東洋学の博士号取得 |
| 生没 |
1910年〜1967年(57歳) |
| 作家としての経歴 |
| 1949 |
ディー判事を主人公とする作者不詳の公案小説「Dee Goong An」を英訳し、自費出版する |
| 1956 |
ディー判事初登場の歴史ミステリ長編「中国迷路殺人事件」を発表
その後ディー判事ものを中心に作品を発表し続ける |
|
| シリーズ探偵 |
ディー判事(狄仁傑)(Judge Dee) |
| 代表作 |
「中国梵鐘殺人事件」
「中国黄金殺人事件(黄金の殺人)」 |
■著作リスト■
2 その他の作品
【長編】
| No. |
事件名 |
発表年 |
邦訳 |
備考 |
| 1 |
The Given Day |
1964 |
- |
|
【学術書】
| No. |
事件名 |
発表年 |
邦訳 |
備考 |
| 1 |
古代中国の性生活
先史から明代まで |
|
せりか書房('88) |
|
| 2 |
中国のテナガザル |
|
博品社('92) |
|
【エッセイ・評論その他】
| No. |
事件名 |
発表年 |
邦訳 |
備考 |
| 1 |
随想─父の思い出 |
|
HMM'03.11 |
エッセイ |
【不明の作品】
| No. |
事件名 |
発表年 |
邦訳 |
備考 |
| 1 |
つり鐘の秘密 |
1964 |
探偵倶楽部'55.9 |
原題不明、ディー判事の「中国梵鐘殺人事件」か?
ヴァン・グーリッグ名義 |
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